PercPark
ドラムを作る
究極のフルオーダー

番外編その2:職人魂を見る。
 本編に進もうとしたんですが。

 ふたたび番外編です。工程確立のための作業で四苦八苦している最中でございます。
現在、下の画像の通り、ちょいと見た感じには何も変わっていないんですが、大きく進展しております。

 まずは前回までのおさらいを。。
カノウプスで買ったシェル以外にも、サウンドハウスで買った8インチ&10インチセットで7800円のタムの、カバリングをはがしてラッカー塗りをしてしまおうということで、カバリングを外し、目止め、着色まで完了した、と。

 次の工程としては、そうした、との粉でも埋まらないような細かいでこぼこを埋めるために下塗りをします。サンディングシーラーという、細かい目止めをして塗膜を整える役目の、つや消しのクリアーラッカーを塗ります。そうするために、わざわざこんな道具を作りました。
これは、木工屋さんで板の切れ端をいくつかもらってきて、手作りテーブル用の足などを使って”塔”を建て、一分間に5、6回転するような低速モーターを取り付けたものです。このモーターは、ロッドメイキングという、いわゆる自作の釣り竿製作のために使われていたもので、竿の塗装をした際に、塗料のタレやムラをなくすために夜通し回り続けてくれる便利な道具です。これが余っていたので、ドラム塗装用の道具として作り直したわけです。これを使えば、塗装においても、慣れてなくてもある程度均等に塗れるし、どこにも触れずにじっくり乾かすことも出来るし。我ながら便利な道具を作りました。

 さてさて、れしぴの項の最後で、その、サンディングシーラーのスプレー缶が登場しています。こいつは、つや消しのための細かい粒子がラッカー塗料の中に混ぜられていて、それが目止めと、塗膜の厚みを増す役目を果たしています。
それをシェルに均一に塗り、乾いたところで全体に紙やすりをかけ、細かい凹凸を消していきます。

それを繰り返し、塗膜が平らに、細かい凹凸がなくなるまで塗ってはペーパーがけ、塗ってはペーパーがけをやっていきます。と、こうして書くだけならとても簡単なんですが、その作業がけっこう大変で、そうなるまでにスプレー缶にして3本から4本なくなっていきます。また今回のシェルは、要はベニヤとかラワン材をドラムのシェルにしてるようなものなので、木目が粗く、細かいでこぼこをなくすまでにかなり塗りこんでしまいました。

 車のへこみの補修をされてる方ならお分かりかもしれませんが、塗膜がきれいに平らになっていないと、光を当てたときに微妙な凹凸で光源の形がゆがんでしまったりしますよね。それをなくすために、へこんでる部分にはパテを盛ったりして、極力へこみをなくそうとする作業をしますが、このシェルでもそれと似たことをするわけです。材料の細かい凹凸に応じて、ややへこみ気味のところは気持ち厚めに塗ったり、その逆があったりと、思った以上に技術がいるのです。
 その、やすりがけをするための道具をわざわざ買ってみました。
右の画像にあるやつがそうなんですが、平らなアルミプレートに握りがついています。両端は紙やすりを留めるためのクリップのようなものです。通常、”完全な形”で売られている紙やすりのサイズは、大体A4用紙くらいの大きさです。それを縦に3等分してちょうどいいサイズになります。よく釣具屋や模型店などにある、縦に長く切られた紙やすりでは寸詰まりなので使えませんが、ホームセンターなどではA4サイズの紙やすりが普通に売られています。
ちなみにこのホルダーは東急ハンズで約1600円。無ければ無いで適度な大きさの、平らな角材に留めるだけでも充分使えるので、道具にこだわってみたい方だけにお勧め。
紙やすり用やすりホルダー
さて、このサウンドハウスの激安シングルヘッドタム、シェル自体の出来が非常に悪いので、余計に平らにする作業に神経を使いました。そして出来上がったのが下の画像です(いずれも8インチのもの。クリア塗装前と塗装後)。
ビフォー アフター
びふぉー あふたー
正直、全然違いがワカンネ。

 ドラムメーカーなどのカタログには塗装の工程だけでも30工程以上(byパールのカタログ)と書かれているので、これでも相当簡略化したもののはずなんですが、初めに塗り始めてからすでに2週間は経ってしまっています。まあ、塗装→やすりがけという時点ですでに2工程、これを単純に5回繰り返すだけでも10工程ですからね。こうした”本物の”ドラムは、通常の納期が3週間といいますから、シェル製造からの時間を考えると、ドラム作りのプロの方はものすごい手際のよさなんだろうなと感じます。

さてさて、ここまで番外編を丁寧に解説してしまったので、
次回はこいつの完成編として、もう一回番外編を入れて、完成へ。
そしてようやく本編へと行きます。
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