番外編その3:とりあえず力尽きてみる。 | ||||||||||||
工程確立作業、いわゆる試作品製作だけで何年かかったんでしょうか。 あ、いや、まめにやっていれば実質半年もかかってないんですが、やろうと決心してから形になるまでに、これだけかかってしまいました。 きっと試作品での多くの面倒は、シェルの出来の悪さに起因するものが多かったので、本工程に入ってからはある程度楽な作業になると思っているんですがね。 前回までのおさらい。 カノウプスで買ったシェル以外にも、サウンドハウスで買った8インチ&10インチセットで7800円のタムの、カバリングをはがしてラッカー塗りをしてしまおうということで、カバリングを外し、目止め、着色、下塗りまで完了した、と。 次の工程は、もう、そう多くはありません。ここらで気合を入れて、ドラムに貼るエンブレムを製作、貼り付けた後でツヤのある仕上げ塗装をし、エンブレムがはがれないようにすると共に仕上げ塗装に入り、乾いたら最終仕上げのペーパーがけ、ツヤ出しにかかることにします。あとは気分次第でシェル内側の塗装もして、金具類の装着、そして完成となります。
ツヤ出しのための仕上げ塗装には通常のラッカー塗料、クリアータイプのものを使います。 しかも当然、ニトロセルロース系なわけですが、今まで使った塗料と違い、サラサラなので、塗る際は塗膜はきわめて薄く、少しずつ塗膜が重なっていきます。少し塗っては30分〜1時間放置して乾かし、また少し塗っては乾かしを繰り返し、表面にある程度のつやが出るまで続けます。 しかし、スプレーのサガというか、自然の不思議さというか、どうしても塗料のノリのいい面、悪い面が出て、少なからず塗装面がボコボコになってしまいます。まあ、結局そのための、その後の艶出し作業になるんですが。 艶出しにかかりましょう。 まずは、耐水ペーパー1000番をホルダーに装着、削りカスがやすり面に詰まって、仕上げ面に変な傷をつけないように、たっぷりの水で濡らしてから仕上げにかかります。 このとき、絶えず表面に水をかけながらやると、さらに仕上げ面がきれいになります。ただ、今回の作業方法ではシェル内側は無塗装、無防備状態なので、出来る限りシェル内側にペーパーの水をたらさないようにしましょう。気にする方はシェル内側をマスキングしてください。まあ、仮に濡れても、全部水漬けでべしゃべしゃにならない限り音が変わったりしませんし、ちょっと濡れたくらいなら、数日乾かせば元に戻ります。木の本来の力を信じて、繊細かつ大胆に行きましょう。 表面が凸凹していると、ペーパー掛けしていく時点で、やすりが掛かったツヤのない面、スプレーがけした時のままのツヤのある面がはっきりわかります。 明るい場所で、ペーパー掛けした面を光に当てつつ、ツヤのある面をつぶしていきましょう。全てツヤのない面になるということは、塗装面がほぼ平均な面になったということです。 残ったツヤ面を全てつぶしていくと、今後の仕上げ分の塗膜の余裕がなくなってしまうので、少し残した状態で、1500番、2000番の耐水ペーパーを使って、同じように磨いていきます。そうしていくうちに、つぶつぶだらけだった仕上げ面が徐々にきれいになって、さらに仕上げ面も少しずつツヤが出てきます。 この後おいらはさらに3000番のペーパーでとどめの仕上げをしましたが、実際はちり紙やペーパータオルなどで表面を地道に磨いていくだけでツヤが増します。しかし! それが仕上がりではないのです。最後はコンパウンドと呼ばれる、きわめて微細な粒子のペースト状の仕上げ材で、とどめを刺します。そうすると、まるで塗りたてのような塗膜のツヤが出てきます。あとはその際の細かいカスも丁寧に取り除いて、シリコンクロスなどできれいさっぱり拭き取ると、シェルの部分は完成です。
さあ。できた!こんなに時間が掛かるとは思わなかったが、とにかく出来た。今回のタムにはISSマウントシステムを使用してみました。理由は簡単で、自分が持っている8インチ用のRIMSは5穴用で、ピッチが合わないからと、テスト品に余計なお金をかけたくなかったからです。4穴だったら、タマのスターキャストマウントシステムでもいいかもね。 これは練習だ。これから本物のメイプルシェルを使ったタム作りが始まるんだ。 今回、いろいろ失敗を繰り返しながら作ったわけだが、それが次回に役立つぞ。 |
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