生後2ヶ月少しで我が家にやってきたミルキーですが、やんちゃどころか、小さな暴れん坊でした。ほんとに女の子かしらと思うほどです。鋭い乳歯で、人の手ばかりでなく、何でも噛むこと、噛むこと、手当たり次第でした。叱られてもちっともへこたれません。子犬らしいのは、人が恋しくてあらゆるところについてきたがることだけです。今はそんな面影はありませんが、最初の半年の苦労話をご披露しましょう。笑ってやってください。


目 次

1 七尾から東京へ

2 最初の10日間

3 1歳になるまで(設備編)

4 1歳になるまで(外出編)

5 1歳になるまで(食事編)

6 1歳になるまで(病院編) 
             予告編

7 1歳になるまで(しつけ編)
     
コマンド集

8 1歳以降

1 七尾から東京へ

 ミルキーが生後9週になったときにTさん宅に引き取りに行きました。2月16日ころです。道中雪が多くて大変でしたが、明るいうちに連れ帰りたかったので、前日の夕方に出発し、長野市で一泊し、朝9時ころ七尾に到着しました。せっかく七尾に来たのに、Tさんとの挨拶もそこそこにミルキーを受け取り、慌ただしく東京に向けて出発しました。体重は5キロほどあったでしょうか。車に乗るのも初めてだし、母親の優優と離れるし、途中で泣き出すかなと思ったのですが、おとなしく寝ていました。高速道路のパーキングでウエスティーと遊びましたが、ちょうど同じくらいの大きさだった気がします。
 北陸自動車道から長野自動車道、中央高速と走る道中、ブラームスのバイオリン協奏曲を流していたせいか、今でもこの曲をかけるとおとなしくしています。
 吐きもせず、ほとんど苦労しないで、東京に到着しました。Tさんに無事着いたことをメールで報告し、ほっとして、その日は休んだのです。ベッドの近くの段ボール箱の中でミルキーがたてる物音を聴きながら、それからの悪夢を想像もせずに、満ち足りた気持ちで・・・。 このページのトップへ

2 最初の10日間

 翌日、サッカーボールのおもちゃを与えたら、とても喜びました。ペットショップにたくさん置いてあるおもちゃの意味が理解できました。でも、ミルキーは、鋭い歯で、笛の部分を集中的に攻撃して、たちまち壊してしまうのでした。
 段ボールの箱ではすぐに脱出してしまうので、高さ1メートルほどの木でできた大きなサークルを購入しました。でも、外出してから帰ってくると、どのようにして飛び越えるのか、部屋の中でうろうろしているのです。父親のサムソンが脱出の名人なので、さすが親の血を引いているなと妙な感心をしましたが、このままでは安心して外出できません。
 また、ウンチやおしっこの場所を覚えさせようとしましたが、ペットシーツの上にいることに安心して、お尻の部分だけシーツの外にあったりするので、毎日何回も掃除するはめになります。
 それに、留守番をさせようとすると追い鳴きをするので心が乱れますし、幼犬には食事も1日4回は与えなくてはいけないので、夜中に起きたりして与えたりしました。
 この当時は、ほんの1週間前に新居に引っ越したばかりでしたし、仕事も忙しかったので、正直気が狂いそうに忙しかったのです。上司からは、この忙しい時期に引っ越したり、犬を飼い始めるなんてと叱られましたが、家に帰るとミルキーが身体全体で喜んでくれるので、いやされたものです。どういうわけか、この上司は翌年家を購入してチワワを飼い始めたのですが・・。このページのトップへ

3 1歳になるまで(設備編)

ハウス

 高さ1メートルの丈夫な木製のサークルでしたが、ミルキーはさっそくがりがりと齧りだしました。それに人が外出すると、いても立ってもいられないのか、サークルの上部にとうてい届かないはずなのに脱出するのです。これではイカンと、今度は高さ160センチのスチール製のケージを購入しました。このケージは広さが一坪もあるので、我が家の狭いリビングのほとんどがケージで占領されることになりました。さすがのミルキーさんも脱出はできないようです。

トイレ

 最初はサークル内にトイレシーツを敷いただけでした。失敗することが多く、ついにサークル内全体にシーツを敷き詰めました。こうすると失敗しないのですが(当然でしょ!)、ミルキーは決まった場所を認識できません。それに帰宅すると白い体が黄金に染まっていたりするのです。ホワイトシェパードではなく、イエローシェパードでは困ります。我が家は日中はミルキーが留守番をするので、早急に対策を考えなくてはなりません。

ペットドア

 そこで、スチールパイプのサークルの一部を金ノコで切断し、ベランダに面したサッシ窓にペットドア付きのスペーサーを入れて、サークルとペットドアまでを木製の廊下で結びました。サッシ窓の取り付け位置が床よりも15センチくらい上にあるため、小さく足腰もしっかりしていないミルキーはうまくベランダに出られません。やっと出られても中に入れなかったりしました。そこで、ペットドアの内側、外側に階段を作ってやり、やっと行き来できるようになったのです。
 ベランダにはその後グリーンのプラスティック製のすのこ(30センチ四方のものをジョイントしていくもの。ホームセンターの安売りで購入)を敷きました。

水飲み容器

 長時間留守にするので、ミルキーの飲料水の問題も解決しなければなりません。最初はプラスティックのバケツにたっぷり水を入れておきました。何日かはよかったのですが、そのうちバケツを噛みだしました。それから、おもちゃを自分でバケツの中に落とし頭全体を水に突っ込んで拾うという遊びを編み出しました。そんな遊びをしていたのか、留守中にバケツを倒してしまいました。これではいかん、ミルキーの干物ができてしまう・・。
 重くて、噛めない容器はないかと探しました。そしたらあるんですねえ。近所の荒物屋さんで漬け物用の大きくて重い焼物の容器を発見しました。7000円と高く、ふたなんていらないのにと思いましたっけ。でも、水飲み容器の問題は解決しました。その後、容器を倒したのは1回だけです。

ペットドア2

 ペットドアは、イギリス製のもので、内側と外側のドアが磁石で合体するシステムにより、雨や風が吹き込まないような仕組みになっています。でも、ある日ミルキーが齧りだし、何回か修理しましたが、ついにご臨終となりました。同じサイズのドアを購入すればいいのですが、ミルキーに壊されないよう自作しました。
 ミルキーは金属の感触が苦手らしく、あまり噛みません。東急ハンズでパーティクルボードと銅板を買ってきて、ボードをドアの大きさに切り、銅板で覆ってから取り付けました。このドアは重いので大丈夫かなと思いましたが、ミルキーも石頭なので平気でした。ただ、急場しのぎで作ったので元のドアのように固定することはできないので、台風がくると雨や風が吹き込んでしまいます。いつか工夫しようと思いつつ、今もそのままです。

トイレその2

 ミルキーは通常はベランダでうんちやおしっこをします。散歩デビュー後しばらくは外で排泄できず、一定の時間が経つと必死に家へ帰ろうとするのでした。帰ると一目散にベランダに駆け込み、しゃがむのです。これでは長い散歩ができないし、車で遠出もできません。でも、足腰が強くなり遠くまで散歩するようになると、家まで我慢できないようになって、自然に外でできるようになりました。いったん外で排泄するようになると、気持ちいいなあと思うんでしょうか。

ケージの床

 スチールのサークルの床は最初はベランダと同じプラスティックのすのこを組み合わせていました。すのこの下は、水がこぼれてもいいように、ペットシーツを全面に敷きました。当初はいいのですが、与えられたおもちゃに飽きてくると、まずプラスティックのすのこをばらばらにして、噛みだします。毎日、毎日すのこを修復して、組み立て直しました。でも、体が大きくなってくると、破壊も大規模になり、ついには下に敷いてあるシーツまでばらばらにする始末です。帰宅すると、こちらの顔色から怒ってるなと察して、何が悪いのかわからないままスイマセンのポーズ(顔伏せの状態)をとります。

 毎日、毎日の繰り返しを断つため、いろいろ考えました。当初は大理石のプレートを敷き詰めようかとも考えたのですが、予算が高すぎます。ホームセンターに行ったら、縦90センチ、横30センチ、厚み1センチちょいのコンクリートのプレートがありました。このプレートは中空状態なので軽く丈夫で、しかも12枚でケージにぴったり敷き詰められます。それから、厚さ3、4ミリで90センチ四方の中空のプラスティック板を4枚買い、まずこれを敷き詰め、ガムテープで各板を固定し、次いでコンクリート板を敷き詰めました。この組み合わせは成功しました。破壊する手がかりというか、足がかりというものが全くないし、一番いいのは夏でも涼しく、暑がりのミルキーの体をよく冷やしてくれるのです。このページのトップへ

4 1歳になるまで(外出編)

最初の外出

 ミルキーが我が家に来てから2週間後に、だっこして外に連れ出しました。ワクチンプログラムが完了していませんが、それまで待っていたら社会化ができないような気がしたからです。外の空気をふんふん嗅ぎながら、心配そうに抱かれていました。そりゃそうでしょう。静かな七尾から、東京にしては静かにしても家が建て込んでいて、配達の車やバイクが行き来してるんですから。電車の音や商店ののぼりが風にはためく音にびっくりしてました。
 ミルキーは1週間に2キロ以上体重が増えました。8キロくらいまではよかったのですが、10キロになると最初はいいのですが、距離が長くなると腕が痛くなります。それでもだっこして、近所のビーグルさんにお邪魔しました。ビーグルさんにはダックス(ミニチュアではありません。内気です。)のアッシュ君と看板犬のバジルちゃん(とてもキュート)がいましたので、よく遊んでもらいました。

ミルキーのお散歩

 ワクチンが完了して、ミルキーは自分の足で近所を散歩しました。だっこされているときより、いろいろな物音に敏感に反応します。店先ののぼりが風でばたばた音をたてるだけで、びくっとしたり、道路の落ち葉が動くだけで追いかけようとします。びっくりすると家に帰ろうとしますが、なだめて音などになれさせました。
 それでも近所から始めて、だんだんと遠くまで足をのばしました。大型犬には股関節の故障が出ることがあるので、早めに帰るようにしました。生後7ヶ月ほどで念のために股関節のレントゲンを撮り、確認したところ、股関節にきれいなカップが形成されていたので安心したものです。それでも、後天的に股関節異常が生じないよう足腰がきちんとするまでは、ドッグランでもほどほどに遊ばせていたものです。

散歩で困ったこと

 散歩で困ったことは、まず怖がって、家に帰ろうとして動かなくなってしまうことです。これには、5メートルまで伸縮するリードで、先に歩いていってしまうことで対処しました。ミルキーさん、慌ててついてきます。
 次に困ったことは、通りすがりに、花でも商品でもパクッとやりたがることです。これにはリードでショックを与えることしかできません。この癖はいつの間にかなくなりました。最初はいろんなものに好奇心をそそられるんでしょう。
 それから、これは今でも続いていますが、他のワンコを見ると、とにかくペタっと伏せて、遊んでくれるのを待つのです。フレンドリーなワンコは遊んでくれるのでいいのですが、そうでないワンコも多く、そういう場合には「遊べー」とばかりに吠えたてるのです。このページのトップへ

5 1歳になるまで(食事編)

最初の食事

 ミルキーが我が家で最初に食べたものは、砂肝ジャーキーです。正確に言うと、七尾から我が家への車中で食べたものですが・・・。ブリーダーのTさん宅を朝10時くらいに出発したときは、朝ご飯を食べたあとなので、おなかがパンパンになっていましたが、途中のパーキングでウンチをしてから、おなかが空いたようです。そこで、とりあえず砂肝ジャーキーがあったので、二つ三つやりました。初めての味覚だったようで、固いのに気にいったようです。あとでペットショップの人から、最初に砂肝ジャーキーなんてあげたら、それ以上のおいしいものなんてないですよと言われちゃいました。

体重の変化について

 ミルキーの食事について説明する前に、1歳になるまでの体重の変化を紹介しましょう。ミルキーの体重変動表へ 

フードについて

 最初は、七尾から連れて来たときにブリーダーさんからいただいたベディグリーチャムをやりましたが、しばらくしてから、アイムスのユカヌバのパピー用にしました。単に高いほうが気を使って作ってあるのかなという程度の動機です。
 でも、ミルキーはよく食べるし、ペットシーツなど出費も多いので、通信販売でユカヌバの20キロ入りの大袋を購入するようになりました。これを小分けして密封して保存しました。小分けしていると、油っぽいにおいが鼻につき、お世辞にもおいしそうとは言えません。
 そこで、前から関心があった吉岡油糧でミルキー用のフードを作ってもらいました。というのは、ミルキーはときどき体に赤い湿疹ができて、かゆがるので、低アレルギーのフードにしようと思ったのです。届いたフードはうっかりすると小さなクッキーと間違えて人間が食べそうになるような、いい香りがしました。アレルギーの原因がつかめていなかったので、当然ながらアレルギー抑止効果は思ったほどではなかったのですが、食事を用意するときに不快なにおいに悩まされなくて済むようになり、よかったと思ってます。油っぽさがまったくなく、素手でも汚れないし、最初から、喜んで食べてくれたし、いい選択だったと思ってます。
 16ヶ月になるまでは、パピー用の高カロリーのものを、その後280キロカロリーのものを、そして2003年12月からは320キロカロリーに変更しました。量をたくさん摂ると、ウンチが柔らかめになるので、1食200グラム1日2食の食事でちょうどよいカロリー量になるよう設計したのです。主たるタンパク源は最初は馬肉で、あとから魚肉に変更しました。
 吉岡油糧は、注文してからレシピに従ってフードを作り、すぐ宅急便で発送してくれるので、手間がかからないのもいい点です。私は1回に10キロ(1キロ毎のアルミパウチ包装になっています。)注文していますが、今回のBSE牛肉や鳥インフルエンザの影響で、肉類が一般的に値上がりしたそうで、3月からはキロ800円が1000円に値上がりするので、ちょっと頭が痛いのです。でも、人間レベルの肉類を使用しているということなので、しょうがないのかな、と思ってます。
 このフードにポテトとかサツマイモをふかしたものをマッシュにして混ぜたりして与えます。ミルキーは離れたところで、できあがるのも待ちます。そして、食器を持ち上げたとたん、自分の大きなケージに駆け戻り、お座りします。でも、まてというコマンドがないとよしと声をかけても食べないのは、染み付いた癖ですね。

サプリメントについて

 皮膚の湿疹がミルキーの弱点で、なんとかしてやりたいと思い、吉岡でフードを注文するときに、ときどきサプリメントも注文します。胡麻と昆布の粉末、乾燥ニンニクの粉末、キチンキトサン、プロポリスなどです。効き目があるのかどうか分かりませんが、安価なので、よく購入します(2004.1.1)。
 もっとも2歳になり、ミルキーに合うシャンプーも見つけたので、ひどい湿疹や痒みにも悩まされなくなり、サプリメントの出番も少なくなっています(2004.11.2)。

間食について

 主たるフード以外には、煮干し、ヒメタラや白身魚とポテト、トマトでできたビスケット(森乳)を与えてます。小さい頃は砂肝ジャーキーとか与えてましたが、1歳以降はなるべく自然に近いものを与えるようにしてます。
 それから、歯磨き用に40センチくらいの大きな皮ガムやひづめを与えます。ひづめはどうもお腹がゆるくなるようなので、時間を決めてあたえます。皮ガムは留守番のときに与えますが、留守番のときは見向きもせず、飼い主が帰宅すると、いそいそとケージから皮ガムを持って来て、かじりだします。

人間の食べ物について(人よりも先に食事を与えると、しつけ上の問題があるか)

 我が家では、人間よりも先にミルキーのご飯が始まります。飼い主の帰宅が遅く、お腹をすかせているし、飼い主が先に食事すると、胃が刺激されて、空腹の胃に胃酸がたまり、吐いたりするので、先に与えるようにしています。
 小さい頃から、人間の食べているものは生のセロリときゅうりぐらいしか与えなかったので、人が食べていても、何をしてるのと見に来るくらいで、しつこいおねだりはしないワンコに育ちました。もともと食べ物には強い執着はなく、しつけ教室でも食べ物をごほうびにした訓練はできない子でした。たくさんワンコが集まる公園に行って、おやつを取り出しても、周りを囲むのはよそのわんちゃんだけで、ミルキーさんは他のワンちゃんと遊ぶのにご執心なのです。
 こういう性質のワンコだと、食事の順番で、自分のほうが人間よりもえらいんだ、なんて誤解も生じないので、一般に人よりも犬に先に食事させてはだめという説はあまり一般化できないのでは・・・と思うのです。このページのトップへ

6 1歳になるまで(病院編)

最初の診察

 ミルキーが我が家に来てから、すぐに健康診断と検便をしに、病院に行きました。病院は車で20分くらいのところに

あります。体温計をお尻にぷすりと刺され、診察台の上で神妙にするミルキーでした。
 検便の結果は、原虫という都会ではお目にかかれない種類のものが見つかりました。お医者さんも珍しがっていましたが、七尾から来たことを知って納得していました。薬をもらって、帰りました。

診察台大好き

 それからは、しょっちゅう病院に行きました。病院に行くと、ほかのワンちゃんも来ていて遊べるので、好きなようです。診察台を見ると、登りたがるのですが、これは2歳になった今も同じです。お医者さんは目を丸くしています。

ワクチン投与とアナフィキラシー

 お医者さんにワクチンのプログラムを作ってもらい、ワクチン投与を開始しました。ワクチンは、狂犬病と7種混合ワ

クチンですが、母親の免疫も残っているので、混合ワクチンは何回か投与する必要があります。最初にワクチンを打ってもらったときはキャンとも言わず、いい子にしていました。晩になってから、何となく顔がふくれたようになりました。
 その後、2回目のワクチンを打つときに、お医者さんに顔が腫れたことを話すと、アナフィキラシー(アレルギー反応)なので、反応を抑える注射を先に打って、その後ワクチン注射をしますと言われ、2本打たれてしまいました。アナフィキラシーは2回目以降の反応が激しくなる恐れがあるので、以後、毎年のワクチン注射は1回に2本打つことになってしまいました。1本目を打って薬が効くまで時間がかかるので、ミルキーのワクチン接種は大変です。
 

股関節のレントゲン撮影

 ミルキーを訓練所に入れようとしたときに、ミルキーが後ろ足を引きずり出したため、訓練所行きを免れました。その

とき、股関節が心配だったので、病院でレントゲンを撮ってもらいました。撮影された影像を前にお医者さんが解説してくれましたが、要は大腿骨の先のボールを股関節がきれいにくるんでいるということで、股関節の心配はないということでした。安心しました。その後、ミルキーが足を引きずっていたのは、爪を何かにぶつけて、内出血して腫れていたのが原因と分かりました。飼い主は、訓練所行きがいやなミルキーが仮病を装っているんじゃないかと疑っていましたが、その疑いも晴れました。

アレルギーによるかゆみ

 減感作療法
 生後4、5か月で、かゆみが出るようになりました。いろいろなシャンプーを使いましたが、かゆみは止まりません。そこで、いつも行く病院の皮膚科の先生に見てもらいました。大学の先生で平日に2日その病院で診察するので、夜行かなくてはいけません。
 まず、皮膚の表面を軽く削って、と言ってもフケを取るような感じですが、顕微鏡で観察し、ダニがいるかどうか検査しました。それから、お腹の目立たない部分の毛をバリカンで剃り、何種類かのアレルギー源の溶液を注射しました。この検査でも、陽性反応は出ません。次に、血液を少し採取し、アレルギー検査に回しました。この料金は確か17000円くらいでした。1週間後に検査結果を見ると、いろいろな獣肉、魚肉、穀類や植物、化学薬品などへのアレルギー反応の強さが数値となって、現れていました。先生の話では、多かれ少なかれ、いろいろな物質に反応するので、多少数値が高くても、その物質がアレルギー源となって、かゆみが出るのでないということでした。
 アレルギーの原因が不明なので、先生は人間のアレルギーに効果があるという減感作療法を提案しました。人間の尿から精製して作ったアレルギー源を少量から注射し、だんだんと量を多くしていき、アレルギー源への反応を鈍くするという療法です。3ヶ月間週に2回注射をするので、飼い主が自分で行うのです。最初に先生から手ほどきを受け、注射してみました。背中の皮をつまみ皮下注射をするので簡単です。でも、実際にはそんなに簡単ではなかったのです。最初の数週間は少量の注射なので、ワンストロークで注射できるのですが、期間を経るうちに、量が多くなり、簡単には注入できなくなりました。それに量が多くなってくると、それ自体がアレルギー源なのでかゆみが出てきます。それやこれやで、もともとアレルギー源が特定できていないこともあり、最終的な効果に自信が持てなくなり、この療法は挫折しました。
 シャンプーでかゆみを止める
 次に獣医さんが提案したのは、頻繁にシャンプーすることです。ミルキーの体毛をサマーカットにして、病院のトリマーさんに週2回シャンプーしてもらうという方法です。でも、仕事があるのに、週2回ミルキーを連れてくるなんて無理ですし、費用も膨大になります。そこで、サマーカットをお願いして、病院で使うシャンプーを購入し、自前でシャンプーすることになりました。サマーカットされたミルキーはほっそりして、涼しそうです。首から上としっぽだけがふさふさとしていて、残りは2、3センチの短毛犬になりました。シャンプー後の乾燥も簡単です。このシャンプーには一定の効果がありました。

 

2週間の病院暮らし

 ミルキーを飼いだしてから、2ヶ月ほどして、ママさんが単身赴任となりました。

シャンプーも病院で