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大蛟(おおみずち)

  ジュニエ家族を乗せた切手飛行機は地中海に浮かぶコルス島にやってきました。

「まぁ!なんて綺麗な海!」「まぁ!なんて綺麗な海!」オリーンは海に二回言いました。海は二回微笑みました。

「ところどころに沢山の帆が点在していてまるでデュフィの海のよう。」キキはアネットの肩に手を置いて囁きました。

「本当、ディフィだわ。海が空の雲たちを鏡のように映し出してまるで白い薔薇を散りばめたよう、一生眺めていたいわ。

私、とっても幸せ。」オリーンはジュニエに二回キスをしました。ジュニエは二回微笑みました。

「デュフィッ!デュフィッ!デュフィッ!」マリーとケリーとカービーが一匹ずつ一回ずつレジェルテに言いました」

「フィッ」と感嘆に言った後には本当はもっと沢山のエクスクラメーションマークがありました。

みんなコルス島から望む光景を幸せそうに眺めています。

「あら?あそこの海から白い煙が吹き出しているわ?」

キキが遠く浮かぶイタリアのサルデーニャ島の海を不思議そうに指さしました。

「本当だわ!」キキとアネットとオリーンがハーモニーしました。

白い煙は今にもジュニエ家族のコルス島を呑み込む勢いで迫ってきます。

やがて白い煙はたちまち幸福を讃えた光景にベールを下ろしたようになりました。

ぼんやりと微かにサルデーニャ島が陽炎(かげろう)のように揺れています。

「あれぇ?!!」オピスクポクタスが驚嘆の声を発しました。

「海の上にサルデーニャの街並みが浮かんでいるよ、それにさっきよりずぅっと近くに見えるよ、バスが走っているのも見えるよ!」

「アレーッ!アレーッ!」みんな不思議な光景に茫然と声を荒げました。

「大蛟(みずち)だよ。」ジュニエがいつものように穏やかに言いました。

「大蛟(みずち)!!」みんなは不思議そうにジュニエの顔を覗き込み謎の光景の答えを一刻も早く知りたい様子です。

「海に住む海獣さ、頭に二本の角を持っていて、大きな口と大きな鼻の穴から白い息を空に向かって吐くんだ、すると今のように風景が浮かんで見えたり遠い風景が近くに見えたりするんだよ。」

「大蛟(みずち)って海に住む悪魔なの?」オピスクポクタスは仮面の頬を小指で掻きながらジュニエに聞きました。

「悪魔じゃない、幻だよ。」とジュニエは微笑みました。紫のバルーンが陽炎のように風に引かれて行きました。

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