究極のフルオーダー

イントロダクション:ここまで血迷うに至った経緯
「あと一年早ければ・・・」・・・そうなんです。あと一年早く思いついていれば、ここまで迷わなくて済んだんです。というのも、パールでは、メロタムと言われるシングルヘッドのタムを去年まで普通に売っていたんです。それを買っていればこんな企画も作る必要はなかったんです。

ではどうするか。・・・どこも売っていない今(2003年現在)、作ってもらうしかないようです。。。いや待て。普通のタムよりも明らかに工程の少ないシングルヘッドのタムを「作ってもらう」っていうのもおかしな話じゃあないか、という疑問を感じつつ楽器屋へ。

その前に、個人的な好みをチラッと紹介。
ハードウェア面の思想はTAMAが好きです。ドラムのデザインに関してはTAMAが好き「でした」。アートスターシリーズの三角形のラグが好きだったんです。今のスタークラシックのようなラグのデザインは正直大嫌いな部類です。今は、それをややスマートに進化させたパールのラグが好きです。黒も選べるのも大きな理由の一つ。ヤマハは元々大嫌いです。デザインになじめないのも理由にありますが、最大の理由はYESSマウントシステムにあります。ここを覗くような人はドラムをやっている人でしょうから細かい説明は省きますが、そもそもシェルに穴をあける時点で気に入りません。それにも増して、あの支持部分です。あの、たった2箇所の支持で何キロもあるタム類を支えるのは「ヤヴァイだろ?」あるプロドラマーが一年間使用しても耐えたそうですが、所詮一年間。素人ドラマーにしたら、もう少し安全な支持方法を採用している他のメーカー同様、最低5年は保証してほしい範囲だと思うんだが、素人ドラマーは毎年買い換えるとでも思っているんだろうか?しかも、買ったみんながみんな一流のドラムテクニシャンにメンテナンスしてもらえると思っているんだろうか。って考えるような人です。
なので、お願いするのは必然的にパールのものになります。

ぜに・・・さて楽器屋へ。はじめに言った通り、去年までは作られていたものだが、今はわざわざ特注扱いで作ってもらわなければならない状態。自分が本当にほしい物を作ってもらおうとするとお金がかかります。去年まで2万円台で買えたはずのシングルヘッドタムが、5〜6万する現状。なんか一気に疲れました。しかも値段はダブルヘッド(いわゆる通常のタムを便宜上そう呼ぶことにします)と同じだと言うんです。さらに脱力。
ここで僕は最大の妥協を見せて、安くやってくれるならタマでもいいから、と食い下がります。2〜3日で見積もりを出してもらうと言われて、現時点で2年たとうとしています。秋葉原のイケベ楽器さん。全然怒ってないんで連絡ぐらい下さい。ちなみにタマはティンプトムという、胴の長さがヘッド径の半分しかないシングルヘッドタムを出していますが、あれではだめです。自分の基準の見栄え的にいまいちだし、だいいち、色をほとんど選べない。サウンドハウスではZENNというメーカーが売っているんですが、色が選べないのと、きっとタムホルダーの穴があいているのと、安すぎて逆に不安(^^;

たった一年前には、実売価格で一個あたり2万円とちょっと払えば普通に出来たことがどこも出来なくなってしまっていた。このデフレの世の楽しい不条理を垣間見る。ハンバーガーとドラムを同じ扱いにされてしまったような気分だ。

ついでに自己弁護をさせてもらう。わたしはケチというわけではない。先日、ある花屋で一本150円、10本1000円の花が売られていた。しかし、8本だけほしい。ならば10本買ったほうが得だと言われても8本の花に1200円払う方を選ぶ。まあいいや。次行こう。

ジャンク・・・そしてここで、ある意味見てはいけないものを見てしまうわけだ。ドラムショップ・カノウプスのジャンクショップだ。きっと新モデルのドラムを作る上でのテスト材料となった、余ったシェル類を放出しようという狙いだと思う。しかし「ジャンク」という言葉に久しぶりに胸がときめいた。そうよわたしは秋葉原ジャンカー。腐ってもジャンクマニアだ。いや、マニアと言う時点で腐りきっているがどうでもいい。そうだ。ああいいとも。その挑発に乗ってやろうじゃあないか。というのが、このドラム(タム)を作るきっかけとなったわけだ。まあ、数はたくさん出ているようなので、こんな考えしてる人が他にもいると思う。正直、特別なことではないが、かと言ってよくあることでもないので、適当に興味を持ちつつ、生温かく見守ってもらえればと思う。
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