リールの思い出

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OLYMPIC CR900・・・このリールへの思い入れの深さは替えスプールを頼んだ時の思い出にある。今でもはっきりと憶えている。
 これは中学生の時に買った。この手のリールにしては珍しく箱入りで売られていて、部品構成図なんかも書いてあったんです。まあ、おかげでスプールの部品番号もすぐ知ることが出来て、はがきでこのリールの替えスプールを頼むことにしました。それにもう一つ、あることをダメ元で聞いてみようと思って、はがきにこう書き足しました。「あと、リールを入れる袋がありましたら売ってください」・・・このリールには買ったときから元々袋がついてないものだったんです。なので、袋も売ってください、とお願いしました。

 正直言って、当時の自分が、こういった会社に向けて何かを注文するのにはすごく勇気が要ることでした。この頃の自分はかなり内向的で消極的で、こんなはがきを送っても、いたずらと思って相手にされないんじゃないか、って考えるようなネガティブな性格でした。・・・・さて、はがきを送って1週間か2週間かして、僕宛に荷物が届きました。送り主はオリムピックです。ひと安心して、箱を開けてみました。中には頼んだスプールが一つ。そして、箱の底の方には、この部品の送り状らしきものの備考欄にこう書いてありました。「リールの袋はサービスします」送り状の下には、青い色の、オリムピックのロゴ入りのリール袋が入っていました。なんていうか、こんなリールの袋ひとつなのに異常なほどの嬉しさがこみ上げてきて、一生大事に使ってやろう、と誓いました。このリール袋は、自分の持っている袋の中では現在は一番いい色をしていると思います。今は、自分の鯉釣りのスタイルが細糸での駆け引きに変わり、海堡にも行かなくなって久しいので、出番は夏場の青物シーズンだけでしたが、いつでも連れて行けるように、年に一度は必ず手入れをしていました。

また、ちょっとしたチューニングとして、マスターギアの受け部分、元は真鍮製の粗末なベアリングだったものを、ボールベアリングに入れ替えて動きを良くしてありました。が、酷使したせいか、現時点では修復不能な破損をしてしまったので、今は再び修復され、出番が来るのを待っています。