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TRAVEL NOTE with mineral


関西電力黒部ルート

黒部川の電源開発を目的に日本電力〜関西電力が黒部川に沿って建設したルートです。 現在でも黒部川第4発電所をはじめとする発電・送電設備の維持、 資材運搬に使用されるため、観光客には開放されていませんが、 見学会に参加することができました。是非ともご覧ください。

 黒部峡谷鉄道の欅平駅駅から黒部ダムの間が、 関西電力専用の黒部ルートで欅平から仙人峡ダムの間が、 戦前に建設された黒部川第3発電所建設資材運搬を目的に建設された区間で、 吉村昭の小説「高熱隧道」の舞台です。

 仙人峡ダムからは黒部川第4発電所建設のための区間で、 欅平から黒部川第4発電所までが軌道(通称:上部軌道)で、 発電所からはインクラインと道路トンネルで黒部ダムに通じています。 黒部ダムからはトロリーバスの走行する大町トンネルで長野県大町市に通じていて、 こちらは大町ルートといわれています。黒部ダムから欅平に向けて紹介します。



黒部トンネル

黒部ダムから黒部川第4発電所の上部までを結ぶ延長10.3kmの道路トンネルです。 途中の樽沢に建設時の土砂捨て用の横取トンネルがあり、 そこから外に出て黒部峡谷越しに剣山を拝むことができました。 裏から見られるのはここだけだそうです。

黒部トンネル

黒部トンネル内部 1998年11月4日

剣山

樽沢から見た剣山(雪を頂いている山) 1998年11月4日



インクライン

黒部トンネルの終点と黒部川第4発電所を結ぶ乗り物です。 資材運搬用のケーブルカーと考えるとわかりやすいでしょう。

インクライン

インクライン 1998年11月3日


仙人谷ダム

昭和15年に完成したダムで、このダムのダム建設、 導水管敷設のためのトンネル敷設に多くの犠牲が払われたのは有名です。 そのトンネルに次の上部軌道が通りますが、 トンネルに入る前に黒部峡谷をわたり、そこでダムを見ることができました。 見事な逆光になってしまいました。

仙人谷ダム

仙人谷ダム 上部軌道鉄橋上にて 1998年11月4日


上部軌道

黒部川電源開発の物資運搬の生命線です。 関西電力上部専用軌道は延長6.5kmで欅平から黒部川第4発電所を結びます。 途中、仙人谷ダム付近の500mが、高熱隧道で、車内に硫黄の匂いが入り、 素掘りのトンネルにも硫黄の黄色と湯の花の白がまだらに浮いていて異様な光景を目の当たりにすることができました。
客車にワイパーがついていますが、高熱隧道で窓が曇ってしまうので、 その曇りをとるために全ての窓にあります。 かつては160度もあったトンネルも今では40度まで下がっているそうです。

上部軌道機関車

機関車 欅平上部にて 1998年11月4日


客車

客車 黒部川第4発電所前にて 1998年11月4日

客車

客車内部を入口から覗く  1998年11月4日


上部展望台

黒部峡谷鉄道欅平駅の200m真上に関西電力上部専用軌道の欅平上部駅があり両駅はエレベータで結ばれています。 このエレベータには人用の他に貨車も載せられる人貨用もあり、 人貨用に乗車することができました。
欅平上部では外に出ることができ、そこからの景色が次の写真です。

上部展望台

上部展望台から  1998年11月4日



Copyright(C) Tetsuya Iwasaki 1998-2005 1998.11.22作成 2001.10.23 Ver1.1

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