「切手コラージュ」を生み出すコラボレーション
小泉 文美(逓信総合博物館学芸員
Collage(コラージュ)は語源はフランス語であり、辞書によると
「糊付けすること、Collage du papier
de tenture:壁紙を張ること」とあります。
無垢の状態のものに美しく化粧をし完全な状態に仕立てる。
伊坂氏の作品に多く使用されているのは外国のエンタイアです。
「エンタイア」とは郵便で送られ、配達されたままの完全な郵便物のことで、
英語からきた用語ですが、現在では日本語化しており、
これに代わる適当な日本語はありません。
先日、伊坂氏とお会いした際「世界最初の切手は1840年に料金前納の証票として
イギリスで、ハガキは1869年にオーストリア・ハンガリー帝国で初めて発行され、
世界中に広まりました。(「エンタイアを読む」発行:日本郵趣出版
著者:天野安治より)とお話したところ、
むしろそういった基本的知識抜きに何十年も海外切手類を収集し、
ひたすら作品作りに没頭して作家を目指してきた過程を熱心に語ってくださいました。
伊坂氏は世間一般に言われる郵趣家にとどまる方ではない」と感じました。
彼の「切手コラージュ」は不思議と誰もが直感的に理解できるような魅力があると思いました。
100年の歴史を持つ当逓信総合博物館では、伊坂氏の作品展を鑑賞し、
誰もが郵便物に対する固定概念を少し変え、郵便物の象徴でもある切手類に、
より一層興味を注いでもらえると考え、当展開催に至りました。
現実的なものと非現実なものが融合し、
その相反するもの同士のコラボレーションこそが、
まさに伊坂氏の「美」を生み出す瞬間なのではないでしょうか。
