難病医療費助成
いわゆる難病のうち、症例数が少なく、原因不明で、治療方法が確立しておらず、
生活面への長期の支障がある疾患については、難病対策が行われています。
難病法の成立と施行 平成27年1月
「難病の患者に対する医療等に関する法律」が平成26年5月に制定され、平成27年1月1日に施行されました。 この法律で定められた難病対策の柱となる事項は、次のとおりです。 |
1 | 基本方針の策定 |
2 | 医療費助成の制度の確立 |
3 | 調査および研究の推進 |
4 | 療養生活環境整備事業の実施 |
医療費助成の対象となる疾患 〜 指定難病
この法律の中では、医療費助成の対象となる疾患は、新たに指定難病と呼ばれます。 |
難病は、@発病の機構が明らかでなく、A治療の方法が確立していない、B希少な疾患であって、C長期の療養を必要とするもの、という4つの条件を必要としていますが、 指定難病は、さらに、D患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1パーセント程度)に達しないこと、E客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること、という2条件が加わっています。 |
指定難病の数は、令和6年4月から341疾病に
指定難病は、第1次実施分として110疾病が選定され、平成27年1月から医療費助成が開始されました。 |
さらに、第2次実施分196疾病が同年7月から、第3次実施分24疾病が平成29年4月から、第4次実施分1疾病が平成30年4月から医療費助成の対象となりました。また令和元年7月および令和3年11月、令和6年4月にも疾病が追加されました。 |
医療費助成の仕組み
認定と受療 | 対象疾病ごとに認定基準があり、都道府県または政令指定都市に申請して認定されると「受給者証」が交付されます。受給者証を提示し、難病指定医療機関で受けた治療につき公費が助成されます。 | |
自己負担の内容 | ○ 自己負担割合について、医療保険の原則3割を原則2割に引き下げ。 ○ 世帯の所得に応じ自己負担の上限額を設定。 ○ 入院時の標準的な食事療養、生活療養は患者負担。 ○ 外来、入院の区別を設定しない。 ○ 受診した複数の医療機関の自己負担をすべて合算して負担上限額を適用。 ○ 高額な医療が長期的に継続する患者には、低額の負担上限額を設ける。 |
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軽症高額該当 | 軽症者(重症度基準を満たさない患者)についても、月ごとの医療費総額が3万3300円を超える月が前12か月以内に3月以上ある場合は医療費助成の対象となる。 |
特定医療費(指定難病)受給者証所持者数は約105万人
特定医療費(指定難病)受給者証所持者数は、令和4年度末に約104.9万人です。 |
疾患別では、「パーキンソン病」が14.3万人と最も多く、、次いで「潰瘍性大腸炎」が14.1万人、「全身性エリテマトーデス」が6.5万人となっています。 |
特定疾患医療費受給者証所持者数の推移
厚生労働省:衛生行政報告例
年 度 | 所持者数 | 参考 疾病数 |
令和4年度末 | 1,048,680 | 338 |
令和3年度末 | 1,021,606 | 338 |
令和2年度末 | 1,033,770 | 333 |
令和元年度末 | 946,110 | 333 |
平成30年度末 | 912,714 | 331 |
平成29年度末 | 892,445 | 330 |
平成28年度末 | 986,071 | 306 |
平成27年度末 | 943,460 | 296 |
旧事業 〜特定疾患治療研究事業
旧事業の特定疾患治療研究事業では、56疾患の医療費について公費負担助成が行われていました。
特定疾患医療受給者証所持者数の推移
厚生労働省:保健・衛生行政業務報告(衛生行政報告例) | |
平成26年度は同年末現在。ただし、指定難病とされなかった@スモン、A難治性肝炎のうちの劇症肝炎、B重症急性膵炎の3疾患については、平成26年度末。 |
年 度 | 所持者数 | 人口 10万対 |
平成26年度 | 925,646 | 728.4 |
平成25年度 | 855,061 | 671.7 |
平成24年度 | 810,653 | 635.7 |
平成23年度 | 778,178 | 608.9 |
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