共同募金、東京都が期間拡大で取り組む新しいかたち
第2次大戦後、昭和22年(1947年)に始まった赤い羽根共同募金運動は、時代のニーズに寄り添い、社会福祉活動を支援する仕組みとして展開されてきました。 |
東京都共同募金会では10月〜12月末までの3か月間であった共同募金の運動期間を、平成22年度以降翌年3月末まで拡大し、ご協力を呼びかけています。 なお拡大期間では、従前の赤い羽根共同募金の運動展開に加え、「物品寄付」と称し会社・法人からの寄付物品の受け入れ強化に取り組んでいます。お寄せいただいた物品は、都内の社会福祉施設・団体にお配りし、社会福祉事業に直接役立てられております。 |
ここでは東京都における共同募金運動の取り組みとしての「物品寄付」に焦点を当てご紹介いたします。 |
☆ 東京都共同募金会が行う募金活動 | ||
東京都では、毎年10月1日から翌年3月31日までの共同募金運動期間中は、 ・東京都の区域内全58地区の共同募金各地区協力会により各世帯に寄付をお願いする「地区募金」、 ・学校やボーイスカウト、民生委員、宗教団体、社会福祉施設・団体の方々等のご協力による「街頭募金」、 ・会社・法人にお願いする「法人募金」、「職域募金」 として、寄付を呼びかけています。 また、事務局では「直納寄付金」として、年間を通じ皆さまからのご寄付をお預かりしています。なお、「物品寄付」は金銭をお預かりすることとは異なるため、「直納寄付金」の一つとしてお取り扱いしています。 |
||
☆ 東京都共同募金会 〜 企業と社会福祉を結ぶ物品寄付の取り組み | ||
東京都共同募金会では、運動期間中、特に企業の決算期を控えた1月から3月には、会社・法人を対象に物品による寄付の充実・拡大を図っています。 | ||
〜非常時における物品寄付の有効活用〜 募金運動期間拡大の初年度(平成22年度)終了間際(平成23年3月11日)に起こった「東日本大震災」では、販売会社から物品寄付としてお寄せいただいていた水や食料品など災害対応用品を即座に被災現地に運び込み、即応的・効果的に被災者の方々のお役に立たせることができました。 令和2年度には新型コロナウィルス感染拡大において疲弊する医療機関や社会福祉施設・団体を支援するため、会社・法人の取り組みによりマスク、フェイスシ−ルド、消毒液等をお届けすることができました。 |
||
☆ 会社・法人に対するご協力の呼びかけ | ||
ホームページで年間を通じ情報を発信するとともに、会社・法人に対しては東京商工会議所のご協力の下、会議所会員の方々向け機関誌発送の際に本会バンフレットや物品寄付のチラシを同封し、ご協力を呼びかけています。 | ||
☆ 会社・法人にとっての物品寄付のメリット | ||
例えば型落ち、荷崩れなどの理由で、一般の市場では販売し難くなった商品を生かし、 1. 社会福祉活動への貢献となる、 2. 会社・法人の得意分野を活かすことができる、 3.共同募金会発行の領収書を受けられ、それは損金として計上できる(配送料も含む)、※ などのメリットがあります。 |
||
(※・・・寄付された物品が社会福祉施設・団体のニーズに適うものであれば、寄付者(会社・法人)と共同募金会が市場価格も考慮したうえで協議し決定する適正価格で受け入れる(=領収書を発行する)ことができ、寄付金として損金に算入できます。) | ||
☆ 物品寄付のメリット(受配者、寄付者、共同募金会) | ||
1.受配者(社会福祉施設・団体) 〜希望する物品を受け、利用者のために役立てられる。 2.寄付者(会社・法人) 〜物品を寄付したことにより、社会に貢献すると共に、販売に準じた経理処理ができる。 3.共同募金会 〜会社・法人の社会貢献の意思表示のお手伝いをすると同時に、社会福祉施設の支援などの本来の任務を果たす ことができる。 物品寄付は、受配者、寄付者、共同募金会、それぞれにメリットがあります。 |
||
参考:物品寄付実績(配分のべ件数および寄付相当額) 平成23年度: 2件、 3098万9795円、 平成24年度: 3件、 256万6499円、 平成25年度: 6件、 1774万7867円、 平成26年度: 11件、 1166万6400円 平成27年度: 7件、 2613万6587円 平成28年度: 6件、 2819万1200円 平成29年度: 19件、 8036万5217円 平成30年度 23件、 2634万4938円 令和元年度: 45件、 3680万5159円 令和2年度: 80件、 1億6147万8956円 ※ 令和3年度: 76件、 2億 291万2301円 ※1 令和4年度: 64件、 2億2210万6130円 ※2 令和5年度: 44件、 2億4231万8617円 ※3 |
||
※ コロナ禍での医療用備品(マスク、フェイスシールド、消毒液等)の不足状況に伴う支援、および一斉休校や社会経済活動の低迷を起因とする子どもの貧困対策支援(子ども食堂への食料品など)が影響し、大きく増加しました。 | ||
※1 コロナ禍が続く中、マスクや消毒液、食料品の他、経済的に困窮する女性への化粧品や外出機会が減った高齢者、障がい者等の健康維持のために機器を役立てるなど、多くの物品寄付を取り扱いました。 | ||
※2 コロナ禍が続く中、マスクや消毒薬、食料品の他、経済的に困窮する女性への化粧品などを継続的にお預かりしました。一方で、社会経済活動も戻りつつあり、障がい者の就労事業所が行う清掃作業用備品などの物品寄付も取り扱いました。 | ||
※3 障がい者を対象とする事業所の就労事業用備品やマスク等従前の物品に加え、(株)アデランスよりシャンプー等の大口物品寄付も取り扱い、特別養護老人ホームなど高齢者が生活する施設等に配分いたしました。 | ||
物品をまとめて受け入れる施設・団体もあり、配分先・のべ件数は減少しています。 | ||
☆ 東京都共同募金会が目指す「共同募金のありかた」 | ||
都内各地域においては、住民の参画による「地区配分推せん委員会」が組織され、地域の皆さまに「社会福祉のニーズを知らせ」、「寄付を募り」、「地域の皆さまのご意見を伺い配分する」循環を進めています。 共同募金は75年以上にわたり、その時代や社会状況に応じた社会福祉課題へ対応してまいりました。昨今ではコロナ禍の影響で顕在化した、経済的困窮や社会的孤立を発端とする社会福祉課題への対応、また昨年度は、1月1日に発生した能登半島地震災害に対し、全国の共同募金会と協調し、災害等準備金から2400万円(全国では総額3億3千万円)を拠出し、現地における災害ボランティアセンターの設置、運営等に活用させていただきました。 共同募金会は、社会福祉のニーズと地域社会をつなぐ仲介役として事業に取り組んでいます。皆さまにとって『寄付』をきっかけとした社会福祉に関する身近な相談窓口になれることを願っております。 |
令和6年9月12日 | 社会福祉法人 東京都共同募金会 |
![]() |