日本赤十字社取扱分 同社資料による。
ネパール地震(2015年)
災害の発生 | ||
ネパールの首都カトマンズの北西80キロメートル附近を震源とするマグニチュード7.8の地震が4月25日に発生し、ネパールと周辺国のインドや中国、バングラディシュに死者が出ている。 5月12日、再び大規模な地震が発生し被害が出た。マグニチュード7.3、震源地はカトマンズの東方約80キロメートル。 |
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被害の状況 | ||
ネパールの死者 7912人、負傷者 1万7871人(5月9日、内務省)。建物全壊 約29万5000戸、半壊 約24万8000戸(5月7日、同)。周辺国を合わせ死亡者 8000人超。 | ||
5月12日の地震によるネパールの死者は110人、負傷者は約2800人(5月14日、ネパール当局)。隣国インド、中国チベット自治区を合わせ、死亡者は128人。4月25日の地震と合わせネパールの死者は約8300人、周辺国を含めると計約8400人が死亡した(以上、5月15日付日本経済新聞)。 | ||
赤十字の対応 ネパール赤十字社と国際赤十字・赤新月社連盟が救援活動を行っている。 | ||
各国赤十字社が保健医療活動、救援物資の配付を行っている。24か国、250人以上の赤十字要員が集結。 | ||
国際赤十字は、救援に緊急アピールを発出、約41億5200万円。 | ||
日本赤十字社の対応 | ||
保健医療チームの派遣 | ||
4月25日に先行職員、26日に先遣隊員を派遣、29日に診療活動を開始した。30日に本隊を派遣、医師3人ほか9人。 医療支援を3か月継続する予定。 |
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資金支援、物資支援 | ||
国際赤十字のアピールに応え、1000万円の資金支援。 4000万円相当の物資を支援。衛生キット2621セット、毛布800枚、蚊帳3000帳、防水シート400枚。 追加して2000万円相当の物資支援を実施する予定。 |
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救援金受付 | ||
受付期間 2015年4月27日〜7月31日(金) 受付状況 20億2491万0751円 (終了) |
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日赤による復興支援活動 | ||
日赤は、先行して実施していた4棟の診療所再建などの活動と並行して、ネパール赤十字社と復興支援活動について協議を重ね、2016年11月に同社との間で包括協定書を締結した。 |
日赤による主な復興支援活動(予定)
支援分野 | 主な支援内容 | 支援金額 |
住宅再建支援事業 | ・約1500世帯への住宅再建補助金の支給 ・住宅再建にあたっての技術支援 |
5億2500万円 |
地域保健再建事業 | ・14村での診療所再建(4村で先行実施) ・8村での地域保健再建事業 |
1億6000万円 |
水と衛生、生計支援事業 | ・個人住宅や学校のトイレの設置支援 ・安全な水の共有設備の修復 |
2億円 |
血液センター支援事業 | ・血液センターへの資機材供与、技術支援 | 5000万円 |
学校再建事業 | ・小学校の校舎再建、修復、防災教育 | 1億円 |
ネパール赤十字社能力強化支援事業 | ・人材育成、復興支援に必要な設備支援 | 5000万円 |
(170122更新)
○ 中央共同募金会の対応 同会ホームページ
災害福祉活動支援募金 | ||
全国社会福祉協議会と共同で、被災地における被災者を対象とした福祉活動(保健、教育等の分野での生活支援、復興支援活動を含む)を支援するための募金を行う。 | ||
募集期間 平成27年9月30日(水)まで |
(151231更新)
○ 日本政府の対応
国際緊急援助隊の派遣 4月28日、救助チーム70人と医療チーム46人が現地到着、活動開始。救助チームは5月9日に帰国。 | ||
自衛隊の国際緊急援助隊を派遣、約110人 | ||
先遣隊21人が4月29日夜カトマンズに到着、医療援助隊が同日深夜に到着。 | ||
援助物資の供与 国際協力機構(JICA)を通じて2500万円相当の緊急援助物資を供与。 | ||
資金協力 | ||
外務省は4月27日、ネパール政府に10億円規模の緊急無償資金協力を実施すると発表(4月28日付日本経済新聞)。 外務省は無償資金協力を6億8000万円追加する(5月2日付日本経済新聞)。 |
(150517追加)
中東人道危機救援(2015年)
中東地域の紛争犠牲者 | ||
2011年の勃発から13年となるシリア紛争では、いまだ1000万人を超える難民・国内避難民が劣悪な環境の中で不安を抱えた生活を送っており、その他の中東地域でも70年以上続くパレスチナ紛争やイラク戦争、2015年に勃発したイエメン内戦など、様々な危機から住み慣れた場所を追われた人々が厳しい生活を強いられ、中東地域における紛争犠牲者(国内避難民および海外に流出した難民)の生活環境および医療状況は依然として危機的な状況にある。 | ||
レバノン首都ベイルートでの爆発への救援 | ||
令和2年8月7日から同年9月30日までに受け付けた救援金は、レバノン共和国における赤十字の人道的諸活動に使用する。 | ||
中東人道危機救援金の受付 | ||
こうした状況を受け、日本赤十字社は救援金の受付期間を延長する。 寄付いただいた救援金は、シリアやレバノン、ヨルダン、イラク、トルコ、パレスチナなど中東地域および多数の移民・難民を受け入れているヨーロッパ諸国の各国赤十字・赤新月社と国際赤十字の救援活動に充てられる。 |
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受付期間 2015年4月1日(水)〜2025(令和7)年3月31日(月) (期間再延長) 受付状況 5億1504万2556円 2024年4月30日現在 レバノン爆発にたいする受付分を含む。 |
中東人道危機について 日本赤十字社ホームページ記事 21年6月10日付
中東の人道危機とは | |
2010年に中東各国で起こった「アラブの春」と呼ばれる民主化運動から10年が経ちました。シリアへも届いた民主化運動の波は内戦へと発展し、レバノンやトルコ 、ヨルダンなど周辺国へ逃れた難民や、国内避難民を多く生み出しました。シリアの人たちの厳しい状況は現在まで収束することなく続いており、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2019年時点で、国外に避難するシリア難民は556万人、シリア国内の避難民は620万人に及んでいます。シリア難民たちは各々が逃れた先で限られた生活インフラの環境の中での暮らしを続け、将来の見えない不安から大きな危険を冒して欧州などへ移動する人たちもいます。 | |
また、中東地域において歴史的に根深い問題であるパレスチナ/イスラエル紛争。パレスチナの人々は70年以上、3世代に渡って、それぞれの住む国・地域で厳しい生活を強いられています。各国の政治情勢によって、パレスチナ難民の身分や社会的地位は常に不安定であり、その中でも人々は懸命に生活を送っています。 | |
中東人道危機救援事業とは | |
混乱の続く中東地域に対して、日本赤十字社は人々の苦難を少しでも和らげるため、2015年3月に「第一次3カ年計画」を策定し、同年4月から、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)・赤十字国際委員会(ICRC)や現地の各国赤十字・赤新月社と共に、現地の人々に必要な支援を届ける事業を開始しました。2018年4月からは、新たに「第二次3カ年支援計画」を開始し、長期間に及ぶ紛争の被災者への支援を継続しています。また、日赤中東地区代表部を2015年からレバノンの首都ベイルートに設置し、中東地域のIFRCやICRC、各国赤十字・赤新月社とより緊密な協力関係の構築や、現場の声やニーズの把握に努めています。 | |
日本赤十字社は、2015年3月以降これまで、中東各地での支援活動のために医師、看護師、事務職員など計31人をレバノン、イラク、パレスチナ、ヨルダンなどに派遣し、その支援実績は総額約10億円に達します(2019年度末時点)。 |
(240603更新)
○ 参考 日本政府の対応
安倍首相、15年1月のカイロ演説で中東支援を表明し、これまで8億1000万ドルを充ててきた。 | ||
新たに385億円(3億5000万ドル)の資金支援をする。国別の支援額は、シリア71億円、イラク115億円、ヨルダン71億円、レバノン51億円、トルコ43億円など(16年1月24日付日本経済新聞)。 |
(160204追加)
南太平洋サイクロン(2015年)
災害の発生、被害状況 | ||
南太平洋で発生した超大型のサイクロン「バム」は、3月13日から14日にかけて島国のバヌアツ(人口約25万)を直撃した。周辺のツバルやキリバスにも被害が出た。バヌアツとツバルでは、政府が非常事態宣言を発出した。 | ||
国連によると、最も被害の大きかったバヌアツ共和国では、3月16日時点で24人の死亡が確認されている。3月23日現在、バヌアツでは22の島々にいる被災者は約16万6000人。7万5000人が家を失い、11万人が飲料水を手に入れることができずにいる。 | ||
赤十字の対応 | ||
赤十字は、現地の赤十字社を中心に活動を展開中。被害状況が明らかになってくると同時に、救援物資の配付や給水などの支援が開始されている。 | ||
国際赤十字・新赤月社連盟は、3月16日、バヌアツの被災者を支援するため、4億7034万円の緊急救援要請を行った。しかし、周辺国への支援も必要であるとわかってきたため、対象をバヌアツでけでなくキリバスやソロモン諸島、ツバル、パプアニューギニアの被災者とし、緊急支援総額を約7億1390万円とした。 | ||
日本赤十字社の対応 | ||
職員の派遣 3月17日に現地に職員を派遣し救援のための調整を行った。 | ||
資金援助、救援物資 | ||
国際赤十字の緊急支援要請に応じ、1000万円の資金援助および家屋修繕キットや衛生キットを含む1200万円相当の救援物資の支援を行う予定。 | ||
救援金の受付 南太平洋地域の各国赤十字社と国際赤十字の救援活動に充てられる。 | ||
受付期間 2015年3月18日(水)〜5月29日(金) 受付状況 8554万7542円 (終了) |
(160319更新)
○ 参考 日本政府の対応
資金の拠出 | ||
外務省は、バヌアツにマットなど2000万円相当の緊急援助物資を送ると発表した(3月16日付日本経済新聞)。 | ||
国際緊急援助隊の派遣 | ||
国際緊急援助隊の医療チームが3月17日、出発に先立ち成田空港で結団式を行った。計14人で傷病者の治療に携わる。約2週間、現地に滞在する予定(3月18日付日本経済新聞)。 |
(150322追加)