日本赤十字社取扱分 同社資料による。
フィリピン中部台風(2013年)
災害の発生、規模 | ||
11月8日、フィリピン中部を台風30号(Haiyan、中心気圧が一時895ヘクトパスカルにのぼる。今年発生した最も強い勢力の台風)が直撃し、レイテ島を中心にヴィサヤ地方のサマール州、セブ州、イロイロ州、パラワン州のほか、去る10月15日に発生したマグニチュード7.2の地震の被災地であるボホール州など、多くの地域が猛烈な暴風雨にさらされ、各地で洪水や土砂崩れなどによる甚大な被害が発生した。 | ||
被害状況 | フィリピンの国家災害対策本部発表によると、12月7日現在、死者は5796人、行方不明者1779人、84万世帯396万人が家を失った(朝日新聞12月8日付)。 | |
フィリピン災害当局のまとめ(2014年4月17日)によると、被災者約1600万人で、400万人が避難を強いられた。死者6300人、行方不明者1061人。被害総額890億ペソ(約2040億円)。 | ||
赤十字の対応 | ||
* | フィリピン赤十字社は捜索活動と応急手当、安否調査を実施するとともに、各支部がボランティアとともに救援物資の準備と配送をを行い、避難所で温かい食事を提供している。 | |
* | 国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)は、災害対応緊急基金から約5100万円を拠出したほか、各分野の専門家や活動コーディネーターを派遣。連盟と赤十字国際委員会(ICRC)は、8700万スイスフラン(約94億円)の資金協力を求める緊急アピールを発表した。これは、18か月間で10万世帯を対象に食糧、水、仮設住宅、救援物資等の支援の提供を予定するもの。本計画は、2014年1月16日には約144億円に予算が拡大された。 | |
* | 赤十字は発災から3か月で、130万人の被災者に救援物資、食料、安全な水、医療サービスなどの緊急救援を実施した。 | |
* | 発生から1年。国際赤十字には136カ国の赤十字社、赤新月社を通じて、人材や約410億円(3億4560万スイスフラン)の救援金が寄せられ、現地の復興に向けた取組みを支えている。 | |
* | 復興に向けては、3年間で最も救助が必要な被災者50万人に支援を届けることにしている。 復興支援において、赤十字は災害に強い地域づくりを目指して住宅・生活再建、保健、教育などのさまざまな分野で総合的な支援を行っている。 |
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日本赤十字社の対応 | ||
* | 緊急救援 11月13日に基礎保健ERUチームを派遣した。2014年2月12日の活動終了まで3か月間、合計3班、35人が被災地における保健医療支援を行った。保健医療チームは、台風の中心が通り過ぎたにもかかわらず当時救助団体の入っていなかったセブ島北部のダンバンタヤン郡(人口約8万6000人)のマヤ村に拠点を置いて下記の医療保健活動を実施した。 * 仮設診療所での診療 * 巡回診療 * 保健・衛生知識の普及活動 * こころのケア * 診療所の修復 4100人を診療し、3200人にこころのケアを行った。 また、連盟のフィールド調査・調整チームにも過去にフィリピン台風の緊急救援・復興支援に従事した経験のある要員を派遣した。 |
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* | 資金援助、物資援助 赤十字国際委員会、連盟が発表した緊急アピールに応じて、総額2000万円にのぼる資金援助、物資援助(テント、蚊帳、衛生キット、緊急シェルターセット)を実施した。 |
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* | 海外救援金の募集 | |
受付期間 平成25年11月11日から平成26年2月28日まで (受付終了) 受付状況 17億1470万5631円 |
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日本赤十字社の支援計画 概要 2014年5月2日および同年11月7日発表 |
緊急救援 | |||
基礎保健ERU活動経費 | 約 2億3700万円 | 医療チームの派遣費と診療活動費、医療資機材・医薬品等 | |
物資支援 | 約 1億1600万円 | テント600張、衛生キット592個、シェルターキット3000セット、蚊帳12万9900張 | |
国際赤十字による救援活動に対する支援 | 2000万円 | ||
その他緊急救援費 | 300万円 | 調整・調査チーム要員派遣等 | |
復興支援 | |||
サマール島における住宅再建等(ICRC) | 2億3000万円 | ICRCが実施する復興支援活動のうち、住宅再建を中心に、保健、給水、生活再建支援等を支援 | |
レイテ島における学校再建 | 2億2000万円 | 学校などの修復・再建 | |
セブ島における住宅再建・保健衛生等 | 4億6000万円 | 保健衛生分野を軸としつつ、住居再建支援や給水・衛生施設の修復・設置、生活再建支援、保健衛生教育、防災教育給水等、包括的に被災者の復興に向けたニーズに対応 | |
その他の復興支援 | 4.4億円 | 被災各地の生活再建、ボホール島における住宅再建、フィリピン赤十字社の災害対応能力強化等 | |
広報・募集事務・事業管理費 | 1億 800万円 | ||
合 計 | 17億9800万円 |
現在までの支援内容 2014年10月10日時点
建設された仮設住宅 | 6081棟 |
住宅修復のための支援を受けた世帯 | 1万3506世帯 |
生活再建のための現金支援を受けた世帯 | 2万9061世帯 |
再建・修復された医療施設 | 7施設 |
保健衛生によって支援を受けた被災者 | 12万8000人 |
こころのケア | 1万4300人 |
修理された給水設備 | 1493か所 |
再建または修復された学校 | 192教室 |
再会支援を受けた家族 | 646世帯 |
(141117更新)
日本政府の対応
無償資金、緊急援助物資 (日本経済新聞11月12日付、13日付、15日付夕刊) | ||
* | 11月12日、1000万ドル(約10億円)の緊急無償資金協力と6000万円を上限とする緊急援助物資の供与を実施すると発表。 11月15日、計4000万ドル(約40億円)の追加無償支援を発表。緊急無償資金協力2000万ドルの追加と日本がアジア開発銀行に設けている基金から2000万ドルを提供する。 |
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国際緊急援助隊の派遣 (日本経済新聞11月13日付、 16日付) | ||
* | 国際緊急援助隊の医療チームを現地に派遣。医師、看護婦ら25人。11月11日出発、13日レイテ島入り。 | |
* | 11月12日、国際緊急援助隊として自衛隊を派遣の行動命令。規模50人。医療チーム20人と連絡調整役の30人で構成。現地入りした隊員は15日、レイテ島タクロバンで医療援助を始めた。 11月15日、自衛隊の国際緊急援助隊を過去最大規模の約1180人に増員する命令。18日に出発する予定。 |
(131118追加)
インド洪水(2013年)
災害の発生、被害状況 | ||
2013年6月14日から4日間続いた大雨で、インド北部(ウッタラカンド州ほか)では洪水、鉄砲水、地滑りなどにより甚大な被害が発生した。 死者1000人以上、行方不明者5700人以上、1300もの部落が孤立状態に陥っている。 |
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赤十字の対応 | ||
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インド赤十字社は、被災者の医療支援、救援物資の配布などを進めている。 国際赤十字社連盟は、6月23日、災害救援緊急基金から約5000万円の拠出を決定した。 |
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日本赤十字社の対応 | ||
* | 6月下旬から7月上旬にかけて、事務職員と医師の2人を現地に派遣した。 | |
海外救援金の募集 | ||
受付期間 平成25年6月24日(月)〜9月24日(火) | ||
受付状況 受付額 1771万5204円(9月20日現在) 救援金は、インド赤十字社の行う現地の救援、復興支援活動を支援するために充てられる。 |
(130929更新)
中国四川省地震(2013年)
災害の発生、規模 | ||
2013年4月20日に中国四川省雅安市蘆山県でマグニチュード7.0の地震が発生した。 | ||
被害状況 | 死者188人、行方不明25人、1万人以上が負傷したとみられるほか、建物の倒壊などにより、12万人が避難を余儀なくされた。 | |
赤十字の対応 | ||
* | 中国紅十字会は、地震発生直後から救援を展開している。救護所の設置、給水支援、物資配付など。 | |
日本赤十字社の対応 | ||
* | 中国紅十字会の活動を支援するため、国際赤十字を通じ、1000万円相当の救援物資(キッチンセット2000個および衛生キット1000個を被災地に送付することを決定。輸送された物資は最も深刻な被害を受けた2つの村に住む約2000世帯に届けられた。 | |
海外救援金の募集 | ||
受付期間 平成25年4月23日(火)〜7月23日(火) | ||
受付状況 1億6313万2779円 | ||
救援金は、中国紅十字会による救援活動のほか、日本赤十字社が行う中国紅十字会の支援活動に充てられる。 |
(131118更新)