日本赤十字社取扱分 同社資料による


フィリピン南部台風(2012年)


災害の発生、規模   
  フィリピン南部のミンダナオ島を12月4日に台風第24号が直撃し、激しい雨と風をもたらし、各地で洪水や土砂崩れによる被害が発生した。ミンダナオ島は、昨年12月にも台風の直撃による災害を蒙った。   
被害状況  死者1046人、行方不明841人、倒壊家屋21万棟以上、被災者は624万人に上る。
(フィリピン政府災害当局、12月25日現在) 
 
赤十字の対応   
*  フィリピン赤十字社は、応急処置、食事の提供、救援物資の配付など救護活動を展開   
*  国際赤十字は、総額13億円の支援を要請   
日本赤十字社の対応   
 * 国際赤十字の要請に応え、1600万円の資金援助を行う。   
 * 国際赤十字の要請に応え、基礎保健緊急対応チーム(4人)を派遣した。 3か月の予定。
チームは、12月21日に日本を出発し、同日マニラに到着した。1月3日、ミンダナオ島東部の東ダバオ州バガンガに仮設診療所を開設し、被災者への本格的な診療活動を開始した。
 
海外救援金の募集   
  受付期間   平成24年12月19日(水)〜平成25年3月18日(月)   

(130205更新)


シェラレオネ コレラ流行(2012年)


コレラの流行   
2012年7月からコレラが流行しているシェラレオネ共和国では、8月下旬になってもなお全体的に感染件数、死亡者数ともに増加傾向にある。 世界保健機関(WHO)の発表によると、8月24日時点で、感染件数1万2456件、死者数は224人にのぼる。  
赤十字の対応   
 * シェラレオネ赤十字社は、国際的支援を受け、感染症予防活動や保健施設へのコレラ対応キットの配布等の活動を行うこととしている。   
国際赤十字・新月社連盟(連盟)が派遣したニーズ調査チームは、より大規模な支援の必要性を認め、緊急対応ユニット(ERU)の出動を要請した。これを受け、各国のチームが派遣されることになった。   
日本赤十字社の対応   
日本赤十字社は、シェラレオネ赤十字社が行う救援活動を支援するため、約300万円の資金援助を行う。  
フィンランド赤十字社と合同チームでコレラ救護活動に当たる。医師1人を8月31日から約20日間、現地に派遣する。その後も引き続きERUの医療スタッフを派遣していく。
医師1人が8月31日に日本を出発、フィンランドとの合同チームは、9月3日からボンバリ地区の病院のコレラ病棟で診療活動を行い、9月17日に帰国した。
コレラ救援の保健衛生活動にかかわる要員として、看護師1人を9月26日から約6か月間の予定で現地に派遣した。  
 
海外救援金の募集   
  寄せられた救援金は、コレラ予防のための配付物資の購入費や医師の派遣費などに充てられる。
  受付期間   平成24年8月27日(月)〜11月30日(金) 
 

(121010更新)


シリア人道危機(2012年)


人道危機の発生  
 * 中東や北アフリカで民主化を求める市民が連鎖的に立ち上がった「アラブの春」。
シリアでもアサド政権の退陣を求める抗議活動が繰り返されるなか、政府側に武力で対抗している。
武力衝突はシリア全土にわたり激化している。
国連は、現地における国連停戦監視団の活動を停止した。
 
内戦の勃発から3年近く経つシリアとその周辺国では、死者が10万人(国連推計)を超え、約880万人が国内外に避難している。国外へ脱出する難民の多くは、隣国のレバノン、ヨルダン、トルコ、イラクへ逃れるが、最近は、より良い環境を求めて北アフリカや欧州へ避難する人々も増えている。  
赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)、国連機関、NGO等が協力しながら支援を継続しているが、状況は悪化の一途をたどっている。  
赤十字の対応   
 * シリア新赤月社は、赤十字国際委員会(ICRC)と緊密に連絡しながら、負傷者応急手当、食糧や毛布の配付など、緊急支援を実施した。しかし、スタッフやボランティアは自らの命が危険にさらされている状況である。  
赤十字は、シリアでのこの深刻な人道危機を受けて、人々が基本的な生活を営むために必要な食糧、給水・衛生、医療支援活動をシリアとその周辺国で展開している。
国際赤十字・赤新月社連盟(連盟)は、2012年7月6日に緊急支援要請を発出、約22億円の緊急支援を決定した。
 
国際赤十字・赤新月社連盟が支援拡大を呼びかけている。   
 * 赤十字国際委員会(ICRC)は2014年6月、シリアや近隣諸国での活動資金の予算拡大(約87億円)を発表した。シリア国内での活動の予算は合計で約159億円に達する見込みで、過去15年間のICRCの活動のなかで最大規模となる。   
日本赤十字社の対応   
    資金の支援   
日本赤十字社は、シリア赤新月社の救援活動を支援するため、約1000万円の資金援助を行ったが、シリアと周辺国で連盟やICRC、各国赤十字・赤新月社が実施する救援活動を支援するため、国際赤十字が発表した援助要請(緊急アピール)に応えて総額8400万円の資金援助を実施している。   
    医療専門家の派遣   
  国際赤十字の要請に応え、隣国ヨルダンの難民キャンプに医療専門家を派遣する。
  医師 1人    2014年6月10日に派遣、約1か月間
  薬剤師 1人   6月13日から1か月間。  医薬品等の物流管理の専門家
 
    海外救援金の募集、受付   
  寄せられた救援金は、国際赤十字によるシリア国内および周辺国に逃れた避難民に対する国際赤十字の人道支援活動に充てられる。
  受付期間  2012年10月3日(水)〜2014年9月30日(火)  (期間再延長)
  受付状況  3262万7996円 (受付終了。2014年12月19日現在)   
 
    シリア、イラク人道危機救援金の募集   
  シリア、イラクの各地で新たな武装勢力が攻撃を開始し、両国の人びとが入り乱れて国境を越えて移動し、その周辺国に避難する状態になっていることから、救援金を一本化して受付することとした。
  受付期間  2015年3月31日(火)
  受付状況  644万6772円  (2015年2月27日現在)  
 
    中東人道危機救援金の募集   
  中東地域での紛争犠牲者はいまなお多く、また支援を必要とする地域もシリア、イラクに留まらず、パレスチナやレバノン、ヨルダン、トルコと広域に及ぶことから、新たに救援金を受け付ける。
  受付期間 2015年4月1日(水)から2016年3月31日(木)まで   
 

(150517更新)


 ○ 参考

日本政府の支援   
 * 日本政府は、シリアへの人道支援として国際機関や非政府組織(NGO)を通じて約9500万ドル(約95億円)を拠出していた。   
 * 政府は、追加支援として、6000万ドル(約60億円)の対シリア支援の追加策を表明する方針を決めた。2013年9月の国連総会での安倍首相の一般討論演説で表明する。今回の追加で、総額は約1億5500万ドル(約155億円)となる(以上、平成25年9月24日付日本経済新聞)。   

(130929更新)