スウェーデンの環境保護団体


 スウェーデンの環境保護団体について紹介したい。 
スウェーデン自然保護協会 〜 会員数は人口の2パーセント   
 一番大きな団体のスウェーデン自然保護協会(SNF)は、会員が18万人で、国の人口(900万人)の2%が入っていることになる。日本に換算すると264万人となる。ここは一番古い団体で、最初の活動目的は国立公園を形成することだった。100年間活動してきて、今は身近な自然保護から温暖化問題やエネルギー問題、国際的な問題まで幅広く取り組んでおり、世論の形成、メディアへの影響力のある団体だ。各地に支部があり政府に政策提言をしたりしている。
 団体の年間報告書では、年間予算は19億円以上。会費収入が5億円以上、寄付や企業スポンサーが4億円以上。国からの助成金が6億円に近い。主にSIDA(日本のJICAのような国の機関)からも助成がある。その他に環境保護庁、道路庁などのいろんな機関からの助成もある。
 職員の数は82人。理事には報酬のない団体が多いがSNFの理事長はフルタイムの仕事なので、年収が750万円、事務局長は900万円程度の給与で、スウェーデンの男性の平均年収は460万円ぐらいだから、平均値を大きく上回る。年金制度も社会保障も整備されている。
学習連盟 〜 教育に力を入れている。
 スウェーデンに古くからあるもうひとつの団体は「学習連盟」。これは大きな団体で、教育に力を入れているが、労働運動や禁酒運動が前身にあり、その続きとして学習連盟といういくつかの大きな団体となった。ここには国からたくさんの支援資金が出ている。環境保護団体もこの制度を使って学習の機会を日々提供することはできる。
保護団体は、民主主義の可能性と表現の自由を活用して社会づくりに貢献する。
 結局、NGOを支える制度というよりも、奥深いところで市民活動や環境保護団体を支えている制度だと思う。私から見れば保護団体は民主主義の可能性と表現の自由を活用して社会づくりに貢献するものだと思う。そして、私自身も環境保護団体に期待してきたことは社会を一緒に変えていくこと。当時は、政治家が環境問題を取り上げてくれない時期であったので、国民が騒ぎ政治に取り上げてもらった。日本では政治家や政府は市民活動に対してネガティブであるが、行政の良心的な事業や、企業がよりよい経営をするために、市民活動は安全保障のようなもの。間違った方向に行ったときにアドバイスしてくれる存在。そういった見方は日本では珍しい。
2009.10.31 「環境NPOのエンパワーメント」シンポジウムでの発言
  レーナ・リンダル
(持続可能なスウェーデン協会日本代表)
 
 
 この解説は、NPO法人環境文明21の会報である「環境と文明」の2009年12月号(17巻12号)に掲載された上記シンポジウムの報告の一部を転載したものです。ただし、文節に分け見出しをつけたのは当サイトの編集者です。
 転載を許諾してくださった「環境と文明」誌編集者のご好意に感謝します。
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(110310追加)