じゃあありませんか?特に鍵盤奏者の皆さん。
国内メーカーのキーボードを購入する際に検討するのはRoland、KORG、YAMAHAだけではないでしょうか?CASIOを思い出せたあなたはエライ。しかし、KAWAIを忘れてはいないでしょうか?よ〜く考えましょう。僕は、僕の知っているキーボード奏者の中でキーボード購入の際にカワイを検討材料にいれている人がほとんどいないことを嘆きます。そう。わたしは大変なカワイびいきです。公言してはばかりません。DX7よりはK1(格闘技ではない)だし、SC-55よりはGMega(PHm!?あなたはなんてステキな人だ!!)だし、KARMAなんかよりはK5000Wを買う、そんな確信犯的ヘソ曲がりです。
ここのほかの欄でも主張してるんですが、僕は「デジタルシンセサイザー」が欲しいんです。ほんのちょっと前まで、みんな自分で自分の欲しい音を作っていたんです。僕はそんな時代に育ったので、「いい音を探したい」よりは「自分が欲しい音を作りたい」んです。1000も2000もあるプリセットの中から自分の気に入った音を探すのも嫌いではありません。しかし、それでも僕は自分が欲しい音は自分で作りたいのです。そんな欲求を満たしてくれた最近のシンセはWAVESTATIONかK5000Wしかありません。モデリングシンセは好きじゃありません。それならアナログ買います。どちらにしても今は欲しくないですが。
WAVESTATIONは厳密に言えばプレイバックサンプラーの部類に入るかもしれません。かく言うK5000WにもPCMの音素材は入っています。それでもK5000やWAVESTATIONには「シンセの良心」が残っているんです。シンセの良心。流行に左右されない、決して廃れることがないであろう根っこの部分です。
でも、それが全てかと言うと、世の中そうはいきません。現在では音色配列の統一規格、GMやGS、XGなんてのがありますし、そういった音源の大半がプレイバックサンプラー、つまりPCM音源です。それを無視しているばかりではただの偏屈者です。
人とのMIDIデータのやり取りに関してはこれら統一規格は非常に便利です。メーカーが違ったってGM対応さえしてればどこの音源でもそれなりに聞けるわけですから。自分はK5000Wを持っていて相手はM1なんていったら互換性のかけらもないですからね。なので、時代の流れと自分の信念との折衷案と言うか、妥協点と言うかは、少なくともシンセに関しては持っていなくてはいけません。
話がそれました。まあ、結局何かに対してこれはダメだ、とか言うつもりはまるでないんです。でも、シンセサイザーで純粋に音作りを楽しみたい人にとっては、多くのプリセットを持つものやモデリングシンセに頼る以外にもまだ選択肢があるんだよ、ということがわかってもらえれば、KAWAIのシンセも検討してみるか、と考えてもらえるきっかけになればうれしい。僕はカワイとは何の関係もありませんが、それでもこんなにお薦めするんです。それはきっとあなたの玄人ゴコロもくすぐるに違いありません。
そんなKAWAIも、このK5000シリーズを最後にシンセ市場からの撤退。
Kシリーズの頂点を極めての撤退、僕には、爽やかなほど潔(いさぎよ)く映っています。