SIMMONSとわたし

SIMMONS SDS-2000。僕が高校生の頃、バンド活動というものに興味を持ったとき初めて買ってもらった機材です。

この頃の僕は、ジェネシスの「インビジブル・タッチ」、アンダーソン、ブラッフォード、ウェイクマン、ハウの「閃光」、ビル・ブラッフォーズ・アースワークスの一連の作品でのSIMMONSの音に興奮を覚えていました。まあ、そんな夢にまで見たSIMMONSがまさか手に入るとは思っていなかったんですけどね。
そんなある日のイシバシ楽器で発見してしまったのが全ての始まり。当時はまだ新品で売られていて25万円もしたんですが、親に拝み倒して買ってもらいました。

僕の持っているSDS-2000という機種は音源がすべてPCMのもので、音作りに関してはピッチやファインチューンを変えられる程度の、ほとんどプレイバックサンプラーです。
それでも、バグルズの「ラジオスターの悲劇」の間奏部分で聴かれる、文字では言い表しにくいけど、あえて言うなら「ぎょんぎょん」という感じのタム(エフェクト)音や、'80後半〜'90前半の頃のフィル・コリンズのあの強烈なタムやゲートの効いたスネア音、もちろん、シモンズといえばこの音、という、あのタム音まで入っています。音をほとんどいじれないにもかかわらず、とにかくいじり倒しました。初めて電子楽器に触れた当時の自分にとっては変にパラメータが多くなかったのがかえってよかったのかもしれません。

音源のサンプリングレートやビット数は不明ですが、同じSIMMONSから出ている、サンプラーであり、シーケンサーであり、エレクトロニック・ドラムでもある、SDXのサウンドライブラリから選ばれた音色だ、と言うことを考えると44.1KHz16bitかもしれません。音によっては32KHzかな、っていうのもありますが、全体的に通る音です。
SIMMONSとわたし。
画像:SIMMONSとわたし。4割(当社比)ほどカッコよく写っている。

ちなみに、最近のエレドラのようにシンバル類の音なんていうものは一切入っていません。そもそもパッド入力も5つしかありません。つまり、バスドラ、スネア、タム3つだけの、本当の「ドラム音源」です。そう思うとエレドラも進歩しましたね。っていうか、つい最近ですよね。爆発的な進歩を見せたのは。
でも僕はどれだけエレドラが進歩しようと、これは親に買ってもらったものなんだという気持ちと、初めて自分から進んで使ってみたいと主張した楽器でもあり、手放すことはまずないでしょう。すでに購入から10年以上経った現在ですが、ただかさばるだけのバスドラムパッドのみ売りに出され、代わりに手に入れた2枚のタム用のパッド(画像ではパッドの一部、ロゴの部分が水色に塗られているもの)を大事に使っています。

ちょっとこぼれ話を。これを購入した当時の輸入販売業者はナニワ楽器というところで、数ヵ月後には社名が、ご存知かと思います、カメオ・インタラクティブに変更されて、E-muの製品や音楽関係のソフトなどを販売してましたね。僕の場合は登録はがきはナニワ楽器宛で、その後届いた日本語マニュアルにはカメオ・インタラクティブの社名が入っておりまして、そういう時代に購入したんだな、と、妙な感慨にひたったりして。


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