2003年7月21日
アーティスト名 | 曲 名 |
aiko | カブトムシ |
ごめんとありがとう |
「きみは、プレイヤーには向いていないよ」 僕の、一番初めの音楽の「師匠」が言った言葉です。「これで、悔しいと思って奮起して欲しいわけでなくて、本当にそう思っているの」ドラムを始めた頃、いきなりそう言われました。だから、趣味として究めていって欲しい、と。 初めて会ったのは中学の頃。友人の知り合いのライブ終了後の控え室で。友人から紹介された時にいきなりそう言われました。まあ、散々な出会いですな。5つ年上で、整った顔立ちの、とても綺麗な方でした。初めて逢ってから、もう、15年以上も経つわけだ。公私にわたってお付き合いをしてくれた、優しい人でした。 さて、時は現在に戻って、この前日の20日、実はライブの予定だったんですが、直前に正式出演を辞退することになっていまして。でも、僕は、こんな日に演奏できるなんてめったにないことだから、一曲でもいいから彼女に聴いて欲しかったんです。ボーカルと鍵盤は来ているという確信の下、演奏するつもりでライブ会場に向かいました。予定より遅れたものの、行ってよかった。主催者のご厚意で、演奏させてくれそうです。そこで演奏したのが、ピアノ、ドラム、ヴォーカルのトリオでの「カブトムシ」でした。あの頃よりも下手くそになってしまいましたね。スウィングや、グルーヴなんて言葉をよく言っていたっけ。今はどうやらそのかけらも見つからないようです。なので、気持ちだけで演奏しました。みんなよりも、少し先を演奏していなければいけないところで、乗り遅れてしまいました。きっと、腹を抱えて笑っていたことでしょう。でもさ、あのスネア、チューニングおかしかったよ。あれじゃあバランス悪くてゴースト出ないよ。反応悪すぎ。でも、借り物だし、時間なかったからそのまま使ったけど。 それでも、楽しく演奏できました。あなたに教わって、初めてドラムを叩いた時の、あの楽しさを思い出しました。「ね?」っていうのが口癖で、僕が驚いたり、間違ったりするたびにそう言っていたっけ。期待していた通り、2、3箇所やらかしてしまいましたよ。だけど、昨日は今の自分を知ってもらいたい日だったから、聴いてくれてありがとう、という気持ちです。まあ、こんないい日に、この気持ちを捧げられてよかった。また新しいスタートに立てました。生涯忘れることはないでしょう。 「ね?」 |