僕は、毎年この頃になるとこの曲が作られることになったあるエピソードを思い出す。

　この曲が出来た経緯は、早春のとても寒い日に「空が青かったから」という理由で、着の身着のままで家を出たある人がその夜、金も泊まるところもなかったために、海沿いにある駐車場の冷たいアスファルトの上でうずくまっていた時、あまりの寒さに「凍え死ぬっていうのは、これよりもっとつらいのか・・・じゃあ、今は、さながら冷凍睡眠ってところだな。それにしても、寒いし、なんか眠い・・・・・・」と、その後３日間ほど遠のいていくであろうその人の意識の中で焼き付けられたコード進行から広がっていった曲です。

　なので冗談抜きに寒い曲です。こういう極限状態から生み出された曲は、他の作品とは一線を画する出来になっていることがよくあるんですが、これも例に漏れずそうなることでしょう。「自分のユニットでは使えない曲」として保存されていた一本のカセットテープ。長い封印を解いて聴き直したある日、「うぉ？これ、誰の曲のコピーだっけ!!?」というのが作った本人の感想です。今の自分の作る曲と照らし合わせるとヘコむのであまり聴かないことにしています。ですが、演奏者を変えて再び皆さんの耳に届くことでしょう。

　と、今日はプロモーションに徹してしまったな・・・