スズキを休ませよう。
なんかもう | |
必死でしょう?最近のルアーな人たち。魚にも休む時間を与えないと、って思うんですけどね。 わざわざシーズンでもない冬の時期におとなしくしているスズキを引っ掻き回してもあまりうれしくないと思うんですよね。 芸能人の功罪というのも大きいでしょうがね。それなりに人気のあるタレントが「ルアー釣りが好きで、バス釣りにハマっている」と言えば、ファッションとしてバス釣りをしたがる「にわか」な人たちが増えてくるわけで、ただでさえスレてきているバスがさらに警戒する。そこで釣れない「にわか」な人が飽きてくる。ってぇと、人とはちょっと違うことをしたいっていうのが出てきて、比較的バスのタックルの流用がしやすいスズキ釣りに目をつける。別にそこからハマる人はそれでもいいんです。マナーさえしっかりしてれば。そういう人は歓迎です。 ただ、やはり、この手の人口が増えると、新たな技術が生まれる一方、旧来より大事にしてきた秩序が一気に乱されます。どうしても一匹釣りたいからって一年中シーバスを追っかけまわすのはあまり誉められるものではない。魚は人間と違って、と言うか、人間よりも極端に活性の高い時期、低い時期がはっきりしているから。 |
心のオフシーズン | |
シーバスには禁漁期などというものがありません。要するに1年中、いつ釣りをしても構わないという事です。しかし、シーバスにだって休みたい時期はあるでしょう。まず、寒い盛りの時期、「冬のスズキはネコまたぎ」と言われていて、魚が好きと言われるネコですら素通りする、と言うくらいおいしくない時期で、脂が大して乗ってないわけです。と言うことはつまり、あまりえさを食べずにおとなしくして冬の寒さを乗り切ろうという時期なんではないかと思います。冬眠のような感じでね。本人(本魚?)に聞いたことないのでわかりませんが。 そして、暑い盛りの時期も暑さでバテて活性が悪いと言われています。そんな時にわざわざ偽の餌でおびき寄せて針に引っ掛けるなんて申し訳なくて出来ません。 なので、僕は自分の心にシーバスのオフシーズンを設けています。12〜3月前半と、7〜9月前半。3月、9月は中旬〜下旬あたりから様子を伺いに釣りに出かけますが、この間は完全にシーバス釣りを休みます。 |
その間どうするか |
だからと言ってその間釣りをするなと言うのも酷な話です。始めに、魚には活性の高い時期、低い時期があるということを言いましたが、水の中の生き物は多彩です。生き残るためにいろんな進化をしました。その中で、他の魚の活性が低い時に元気に動き回るという魚が出てくるわけです。釣りの世界では、淡水ではワカサギ、海水ではアイナメ、カサゴなど、「根魚(ねざかな)」と総称される魚や、カレイなどの砂浜に住む魚が、冬〜早春の釣り物として人気があります。また、アオリイカやスミイカなどのイカ類も餌木(えぎ)と呼ばれる日本古来のルアーを使って、ルアー釣り感覚で狙う人も増えてきました。 最近では、根魚類を「ロックフィッシュ(岩礁帯の魚)」と称して、元来、餌釣りでのターゲットだったこれらの魚をルアーで釣るということも流行っています。まあ、今は餌釣りよりもルアー釣りの需要の方が高いし、ルアーなら餌をつける必要がないので、生きた餌が苦手な人も気軽に狙えるということもあり、これからいろいろと開拓されていく気がします。 さて、冬の間の釣り物は落着したとして、夏の暑い盛りの釣り物です。夏休みの間中釣りをするなと言うのもまた酷な話です。しかし冬よりは選択肢も多く、別に海水魚にこだわらずともバスやトラウトを始めとした淡水魚も楽しめるし、海水魚にしても、この時期にルアーで狙う魚は結構開拓されてきて、ざっと思いつくものを列挙してみるだけでも、トラウト、バスのタックルの流用が利く、メッキと総称されるアジの一種や、そのメッキ狙いでたまに釣れるヒラメのこども(ソゲと呼ばれる)、シーバスのタックルや、チョイ投げタックルを流用した、弓角によるイナダやソーダガツオなどの青物狙いと、夏の釣り物にも事欠かない。なので、真冬と真夏くらいはシーバスには休んでいただいて、活発に餌を追うシーズンに再びあのエラ洗いを見せて欲しいと願うのです。バスプロだってヘラブナ釣ったりして楽しむ時代なんだし。 |