弥生

高いところから失礼。

女の子らしい
かわゆいお顔です。





弥生 ( 雑種 メス 2005年生まれ 2007年3月〜在籍
拝啓 弥生様

あなたは3月のある日、この施設に置き去りにされて
捨てられていた猫だから「弥生」と名付けられましたね。

人も苦手、猫も苦手、そしてトイレも苦手なあなたを、
「これでは里親さんにもらわれにくい。慣らさねば」と、
猫のたくさんいる部屋に放り込み、猫用トイレで排泄することを覚えさせ、
なるべく撫でて触って話しかけ、人に慣れさせました。
あなたはいつもビクビクし、ちぢこまり、「もう耐えられないっ」と逃げ惑っていましたね。
辛かったでしょう。でも私たちも辛かったのです。
あなたの幸せのためとはいえ、苦しむあなたを見るのは辛かった・・・。

そうこうしているうちにあなたが捨てられてから、2年の月日が経ちました。

ある日、犬の嵐に足を咬まれて膝をかかえてメソメソ泣いていた私の体に
すり寄ってくるやわらかな生き物・・・。見れば、弥生ちゃん、あなたではないですか。
いつもカゴの中で硬く丸く引き込もっていたあなたが、
いつも触ると迷惑そうに眼を細めていたあなたが、
私のまわりをスルスルと歩きまわり、
「私を撫でなさい。そうすれば悲しみがやわらぐから」
そのしなやかな体をすり寄せてきてくれた時、どんなに嬉しかったことか。

いつのまにか、成長していたのですね。
いえ、成長ではない。
あなたは、あなたが苦しんでいた時、私も一緒に苦しんでいたことを分かってくれていて、
だから私が悲しんでいる時、一緒にその悲しみを分かち合おうとしてくれた、
そんな優しい心の持ち主だったのですね。

温かくて優しい。
そんな3月の風のような弥生ちゃん。
弥生ちゃんをもらってくれたおうちには、
必ずが訪れることでしょう。



昔は常に一人でカゴの中でじっとしており、
撫でてやっても「イヤだ〜〜〜」と
ダンゴ虫のように
硬くちぢこまるばかりでしたが・・・


今ではたくさんの猫の中でものびのび振舞っています。




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