プク

来ないでね。

こっち、来ないでね。

絶っっ対に、来ないでね!




2006年7月25日、プクちゃんが死んでしまいました。

17年以上もの間、この施設の片隅でひっそりと生きてきたプクちゃん。
「彼女の人生は、なんて地味だったんだろう・・・」
と暗い気持ちになりかけましたが、
実はプクちゃん、ボランティアのTさんに気に入られていて
Tさんが遺骨を引き取ってくれることになっているそうです。

プクちゃんの遺骨を包んでいる布袋は
真っ赤な生地に金や銀の刺繍が入っていて
地味どころか、とっても華やかなものでした。
かわいらしくてエレガントだったプクちゃんに
とってもお似合いです。


以下の文章はプクちゃんが里親募集中だった頃の紹介文ですが、記念のためにとっておきます。

プク ( 雑種 メス 1989年生まれ 1989年〜在籍
  プクちゃんはとっても臆病者なので、ほとんど“動く”ということがありません。人がプクちゃんの部屋の前に立つだけで「ウ〜〜〜」と低音でうなり続けます。凶暴なのではありません。ひたすら「こっちに来ないでね。コワイんだから・・・」と訴えているのです。でもお部屋をお掃除するために止むを得ず、「ゴメン、ゴメン」と言いながら入っていくと、「イヤ〜〜〜ン!」と部屋から猛ダッシュで出てゆきます。これがプクちゃんが1日の中で、唯一動く瞬間です。

 1989年生まれで、1989年からこの施設にいるプクちゃん。ずっとここにいるのに、実は私、この施設に通うようになって1年くらい経ったある日に、やっと、「あら!こんなワンちゃんいたっけ?!」と、初めてプクちゃんの存在を認識しました。それくらい存在感のない子なんです。

 でも、プクちゃんは写真を見てのとおり、お雛様のようなかわいい形の額(ひたい)をしていて、お顔だけおしろいをつけているかのように真っ白。エレガントな長い毛を持った、とってもかわいらしい子なんです。こんなすてきな子が、この施設でひっそりと暮らしていることを、せめて、このページを読んでくださったあなたは覚えていてあげてください。




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