まりお | ||
このアイシャドー、天然なんだ |
ぼくに何か用? |
また遊びに来てよね |
私は酔っ払うと、 まりおちゃん、かわいいのに・・・ まりおちゃん、なんでもらわれないんだろう・・・ まりおちゃん、あんな所にいるのかわいそう・・・ まりおちゃん、あったかい家庭で眠らせてあげて・・・ まりおちゃん、まりおちゃん・・・ とくだを巻いたものです。 でも、もうその必要はありません。 2007年12月9日、まりおちゃんがもらわれてゆきました。 今頃あったかい家庭で眠っていることでしょう。 |
まりお ( 雑種 オス 1996年生まれ 2002年〜在籍 ) |
愛嬌のある目。笑っているような口元。人が近寄ればプリプリとしっぽを振って嬉しそうに体当たりしてくるまりおくん。でもこの施設に来たばかりの頃のまりおは今とは別人でした。 あるお宅で、犬が数匹ほったらかしで飼われていました。ほったらかしだったので、どんどん近親で交配してしまい、数十匹にも増えて行きました。それでもほったらかしだったから家は糞尿まみれ。そんな劣悪な環境下でまりおは育ったのでした。 この家で生まれた犬たちは幸い皆レスキューされましたが、この家から一歩も外に出たことのない彼らは、当然、人にも犬にもとにかくあらゆるもの全てに怯えました。 恐怖心が、吠えたり噛み付いたりする攻撃の形で表れる子もいました。ただひたすら震えて怯えている子もいました。まりおは後者でした。オドオドした目つき。常に縮こまった体。他の犬がそばで暴れたりすると、恐怖のあまりオシッコをもらしてしまったこともあったっけ。かわいそうに。 でもこの子たちはこの施設で過ごすことで少しづつ、少しづつ心を開いてゆき、しまいには皆明るく陽気な子になり、里親さんにもらわれて行きました。その表情の変化には著しいものがあり、「犬ってこんなに変わるものなんだ!」と私は感動したものです。 あんなにオドオドしていたまりおですが、写真を見ても分かるでしょ?とても愛嬌のあるかわいらしいお顔になりました。でも、閉鎖的な環境で育った後遺症はなかなか消えず、いまだに他の犬や慣れていない人には怯えます。なので、お散歩には行きたがりません。でも、犬って本当に新しい環境にどんどん順応してゆくものです。愛情をかけ、いろいろなことに慣らしていってあげれば、また違ったまりおが見えてくると思われます。 人間のせいで不幸な生い立ちを過ごしたまりお。今度は人間の力でまりおを幸せにしてあげようではありませんか! |